米Jabilが2023年10月30日(現地時間)、Intelのシリコンフォトニクスベースのプラガブル光トランシーバー関連事業を買収したことを発表した。

買収金額は非公開ながら、Jabilはこのフォトニクスビジネスを通じて、コンポーネント設計、システムアセンブリ、合理化されたサプライチェーン管理を含む一貫したフォトニクス機能を提供することができるようになるとしている。

  • Intelのシリコンフォトニクス光トランシーバー

    Intelのシリコンフォトニクス光トランシーバー (出所:Intel)

Jabilのクラウドおよびエンタープライズインフラストラクチャ担当シニアバイスプレジデントであるMatt Crowley(マット・クロウリー)氏は「この取引により、Jabil はハイパースケール、次世代クラウド、AI、クラウドデータセンターを含むデータセンター業界の大切な顧客のニーズに応えることができるようになる。また、この契約により、Jabilはデータセンターのバリューチェーンにおける存在感を拡大することができる」と述べている。

一方のIntel上級副社長兼最高戦略責任者(CSO)のSafroadu Yeboah-Amankwah(サフロドゥ・エボア・アマンクワ)氏は「Jabilのような世界クラスのサプライヤーと合意に達することができてうれしく思う。Intelが既存市場と新興アプリケーション向けのシリコンフォトニクスコンポーネントに焦点を移す中、シームレスな移行を可能にするために、Jabil、Intelの顧客、サプライヤーと緊密に連携していきたいと考えている」と述べている。

なお、IntelのPat Gelsinger CEOは2023年10月26日(米国時間)に開催された2023年第3四半期(7～9月期)の決算発表会にて、「第3四半期の間にシリコンフォトニクス事業のうち、プラガブル光トランシーバー関連ビジネスを売却することを決めた。これによりAIインフラを拡張するための、より付加価値の高いコンポーネントや光I/Oソリューションのビジネスに集中することができるようになる。今回の取引は、過去2年半で10番目の事業売却となり、年間18億ドルのコスト削減をもたらす。ポートフォリオを最適化し、長期的な価値創造を推進するIntelの取り組みの一環である」と述べていた。Intelは、光レシーバー関連事業は売却するも、今後のAIチップ開発に必須の光I/Oなどのシリコンフォトニクスの研究開発には注力するとしている。