アリババクラウドは11月2日、年次テックイベント「Apsara Conference」においてさまざまな業界に特化した複数のAIモデルを発表した。AIは同社の基盤モデル「通義千問(Tongyi Qianwen)」をベースとしており、ビジネスオペレーションの合理化とユーザー体験の向上を支援するという。以下がその具体例だ。
キャラクター作成&AIチャットモデル「通義星塵(Tongyi Xingchen)」は、人間的なインタラクションが可能なバーチャルキャラクターを生み出す。ユーザーは独自のキャラクターを作成し、個性を生かした交友関係や感情的なサポートなど、対話を通じた体験が可能となる。
読書AIモデル「通義智文(Tongyi ZoneWit)」は、ドキュメントを理解してその知識を共有することで、ユーザーの作業効率の向上を支援する。さまざまな形式の文書に対応し、書類をアップロードすることでAIモデルが中国語または英語で要約し、情報を抽出する。これにより関連する質問に回答できるようになる。
カスタマーサービスAIモデル「通義暁蜜(Tongyi Xiaomi)」は、カスタマーサービスのシナリオに特化して設計されたモデル。自然言語の理解や分析、推論の能力を向上しており、顧客の意図を推論しながら適切な応答を提供するという。
プログラミングAIモデル「通義霊碼(Tongyi Lingma)」は、コード生成やコード説明、コード検索において開発者を支援する。ソースコードの自動補完や変更を推奨する機能や、あるプログラミング言語で書かれたコードを別のプログラミング言語に変換する機能などを備える。効率的な開発をサポートする。
ヘルスケアAIモデル「通義仁心(Tongyi Renxin)」は幅広い医療知識を備え、健康に関するアドバイスを提供するヘルスケア・アシスタントとしての活用が可能だ。このモデルは医療報告を理解し、ユーザーとの対話を通じて健康上の問題を特定し、その問題に応じたアドバイスを提供する。
法律AIモデル「通義法睿(Tongyi Farui)」は、法律専門家の業務効率向上をサポートするためにデザインされている。法的調査や法的関連の問い合わせへの回答、訴訟ケースの分析、法的文書の起草などのタスクを遂行する。
金融AIモデル「通義点金(Tongyi Dianjin)」はさまざまな財務情報を事前に学習している。財務に関する質問への回答や、財務報告書や分析結果からの情報抽出、財務報告書や図表のドラフト作成などが可能だ。関連するLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)エージェントと連携し、複雑なクエリを複数管理できる。
その他、バーチャルキャラクターの作成プロセスを簡略化する生成ツールや、ラフスケッチを油絵・水彩画・アニメアートなどのカラー画像に変換するSketch-to-Stylist画像ツール、デジタルアバターの制作プロセスを支援するデジタルアバター作成ツールなども発表している。