Mozillaは10月31日(米国時間)、公式ブログ「Quick as a Fox: Firefox keeps getting faster」において、過去1年間でWebブラウザ「Firefox」のパフォーマンスが大幅に向上していることをアナウンスした。これによると、Speedometer 2.1を使用したベンチマーク総合のスコアが2023年1月と比較して50%向上しており、ページの表示も15%高速化したという。
Speedometerは、AppleのWebKit開発チームが中心となって開発しているWebブラウザのためのベンチマークツールである。実際のWeb体験を反映することを目指して設計されており、仮想ToDoアプリを使ってマウスの動きやキーボード入力といったユーザーの操作をシミュレートして、Webアプリの応答時間を計測する。Webアプリ内の典型的なワークロードを忠実に再現するため、実態に即した評価が得られる点がSpeedometerの大きな特徴である。
Mozillaでは、シミュレーションによるテストケースでのベンチマークだけに頼ることなく、ページの表示速度についても調査を行ってパフォーマンスを評価したという。その結果、ページの表示速度は過去1年間で平均15%向上していることも明らかになったとのこと。
ページの表示速度の具体的な計測方法については、次の記事にまとめられている。
例えば、ページが読み込まれてからFCP(First Contentful Paint: ページが実際に読み込まれる際の最初のフィードバック)に到達するまでの時間は、2023年1月時点で約250ミリ秒だったのに対して、同10月には215ミリ秒まで高速化している。また、ページ読み込み中のJavaScriptの実行速度を95パーセンタイルで調べた結果では、2023年1月時点で約1560ミリ秒、同10月時点で約1260ミリ秒となっており、20%近く改善されている。
Mozillaでは、この改善はSpeedometer 3の取り組みを開始したことで、現実のユーザーエクスペリエンスを詳細にシミュレートできるようになったことによる効果が大きいと説明している。Mozillaでは2022年12月より、AppleおよびGoogleと協力して、Speedometerの次期バージョンとなるSpeedometer 3の開発を行っている。