マンパワーグループは10月30日、企業の人事担当者および経営者を対象に8月4日~17日に実施した「リスキリング/アンラーニングを起点とする人材育成と組織開発に関する共同調査」の結果を発表した。リスキリングを組織的に推進できている企業は4社に1社であった。
リスキリングの実施状況については、全体の約7割が「行っていない」(76%)と回答し、リスキリングを組織的に推進できているのは4社に1社(24%)であった。「リスキリングを行っている」と回答した企業を規模別でみると、1001名以上の企業(39%)と最も多く、301~1000名の企業(17%)や300名以下の企業(15%)はそれぞれ2割以下であった。
また、アンラーニングの実施状況に関して、全体で「行っている」と回答したのは9%と少数派であるが、企業規模別1001名以上では、2割近くが組織的にアンラーニングを推進。「リーダー人材向け研修の一環として実施(企業規模別:1001名以上/メーカー)」、「キャリア休職制度(企業規模別:1001名以上/メーカー)」と、アンラーニングを取り入れている。
人材育成全般の課題について尋ねると、「特に課題はない」と回答したのは15%で、約8割の企業が人材育成に課題を感じていた。課題は「従業員のキャリア自律意識を高められていない」(47%)が最多で、次いで「管理職層のキャリア自律意識を高められていない」(41%)、「キャリア支援を行うノウハウ・知識が社内で不足している」(37%)と、組織全体でのキャリア自律・キャリア形成支援が求められていることが明らかになった。
従業員がリスキリング、アンラーニングの必要性を理解し主体的に取り組むには、従業員の「キャリア自律」が重要だが、多くの企業では「キャリア自律」促進が課題となっている結果から、マンパワーグループは、リスキリングとアンラーニングの連携、キャリアプラン策定など総合的な施策を講じていくことが求められると指摘した。