米Metaの日本法人であるFacebook Japanは10月27日、FacebookやInstagramなど同社のSNSプラットフォームを活用したマーケティング事例を紹介する、広告主および企業向けイベント「Meta Marketing Summit 2023」をTOKYO NODE(東京都 港区)で開催した。なお、今回が国内で初開催となる。
同社は国内でもユーザー数が拡大しているInstagramについて、「好きと欲しいをつなぐ、自分ごと化プラットフォーム」と位置付けている。この定義は、自社ブランドからの一方的な情報発信ではなく、ブランド、顧客、クリエイターの3者が共にコミュニティを形成しながら価値共創マーケティングを実現するというプラットフォームの使い方を表しているそうだ。
広告効果を向上させる生成AIを使った3つの新機能をリリース
FacebookやInstagramでは、あらゆるプロダクトを支えるためにAI(Artificial Intelligence:人工知能)を活用している。例えば、Facebookから削除されたヘイトスピーチのうち、82%がAIによって自動的に検知されたものだ。また、FacebookとInstagramではAIがおすすめするコンテンツの割合が20%を占める。
SNS上でのマーケティングにもAIが活用されており、AIを用いた広告プロダクト「Advantage+」によって、広告経由のコンバージョンが前年比で20%増加したほか、広告の費用対効果は32%増加、1ドルあたりのインクリメンタル購入数は14%増加している。
このようにAI活用を積極的に進めるMetaだが、イベントでFacebook Japanの代表取締役である味澤将宏氏は、広告マネージャの新機能である「クリエイティブ生成AI」を新たに発表した。
同氏は「当社は最近AIに投資し始めたのではなく、以前から継続的にAIと一緒に成長してきた。最近では機械学習フレームワーク『PyTorch』や、大規模言語モデルである『LlaMa』および『LlaMa2』などをリリースしている。AIは過去も現在も当社のイノベーションの中心であり、今後はさらに投資を加速していく予定だ」とも語っていた。
今回発表したクリエイティブ生成AIでは、主に3つの機能をリリースした。まずは、複数の広告面に合わせて画像を自動で拡張・削除できるようになった。フィードやリールなど異なる広告面のアスペクト比に対応するよう自動で画像サイズが加工されるため、広告主はクリエイティブの作成と再利用のために要していた時間を削減できる。
また、商品の背景画像を自動で生成可能となった。商品画像の背景をAIが自動で生成し、クリエイティブのバリエーション追加をサポートする。さらに、テキストのバリエーションも自動で生成できるようになった。広告主が作成したオリジナルのコピーを使用して、さまざまな広告テキストを提案しオーディエンスへのリーチに寄与する。
AIによって奪われる仕事・奪われない仕事は?
ここからは、同イベントの中で生成AIを用いたマーケティングについて語られたセッションの様子をお届けしよう。セッションタイトルは「AIで広告効果を最大化せよ 業界を変革する生成AIの可能性を探る」。Kaizen Platformの須藤憲司氏とサイバーエージェントの毛利真崇氏が登壇し、Facebook Japanの鈴木大海氏がモデレーターを務めた。