ZabbixとZabbix APIについて
Zabbixは、ネットワーク管理のためのソフトウェアです。さらにこのZabbixはAPIも用意しており、これらを利用することでより便利にネットワーク管理できます。
本記事では、まずZabbixの概要について解説し、さらにZabbix APIやZabbixに関するよくある疑問についてまとめました。これからZabbixを利用しようか考えている方や、Zabbixの使い方が分からない方は、ぜひ参考にしてください。
Zabbixについて
まずは、Zabbixについて詳しく解説します。Zabbixとは、Alexei Vladishevが開発し、現在はZabbix SIAによって、開発とサポートが行われている、オープンソースのネットワーク管理ソフトウェアです。
このZabbixを利用するとネットワーク、サーバ、ハードウェアなどの監視と通知を行えます。そのため、サーバに何か問題が起きた時に素早く状況把握が可能です。
さらにZabbixは、オープンソースのため基本的に無料で利用できるのも、特徴の1つでしょう。そのため、高いコストをかけずに、ネットワークの管理を行いたい方におすすめのソフトウェアです。
Zabbixでできること
前述の通り、Zabbixを利用すると、サーバ、アプリケーションなどの監視ができると話しました。ここでは、Zabbixを活用してできることを、さらに具体的に紹介します。
Zabbixを使ってできることの例としては、パフォーマンスをはじめとするデータの収集や、閾値の設定、リアルタイムのグラフ機能などが挙げられます。そのため、ネットワーク管理者はZabbixを導入すれば、Zabbixのソフトウェアからネットワークの状況を、可視化して確認できます。
さらに、監視対象のデバイスをホストとして追加することができます。また、監視項目のグループ化などにも対応しているため、ソフトウェアの利便性も高いツールだと言えます。
現時点で公開されている最新版はZabbix6.4.0
Zabbixはアップデートを繰り返しており、新しい機能を利用したい場合は、新しいバージョンのZabbixを利用する必要があります。ちなみに、本記事の執筆時点(2023年8月)では、Zabbix6.4.0が最新です。
ちなみに最新版のZabbix6.4.0では、UIの変更、カスタムリンクの追加、コンテキストメニューの機能などが更新されており、今までよりも便利な機能が追加されています。
このように、バージョンによって機能が少しずつ異なるため、実際にインストールやドキュメントを参照する時には、必ずバージョンを確認しましょう。
【参考】:Zabbix6.4.0の新機能
Zabbixの種類
Zabbixにはいくつかプロセスの種類があり、どれを使用すれば良いか迷う方もいるでしょう。ここでは、Zabbixの種類について詳しく紹介します。
利用を検討しているものの、Zabbixのサービスの違いが分からない方は、こちらを参考にしてください。
Zabbixサーバー
Zabbixサーバーは、ZabbixプロキシやZabbixエージェントと通信するプロセスです。具体的な機能としては、例えばデータのポーリングデータなどを元にトリガーを設定したり、通知をしたりします。ユーザは、このプロセスを利用して、Webサーバなどの監視ができます。
【参考】:Zabbixサーバについて
Zabbixプロキシ
Zabbixプロキシは、主にデータの収集を行うプロセスです。前述のZabbixサーバーは、Zabbixの中核となるプロセスのため、負荷を分散させるためにZabbixプロキシにデータの収集をさせています。
そのため、ここで収集したデータは、最終的にZabbixサーバーへと送られます。
【参考】:Zabbixプロキシ
Zabbixエージェント
Zabbixエージェントは、稼働状況をローカルで収集します。このZabbixエージェントを監視したい対象にインストールすることで、ハードディスクドライブやメモリの状況を確認できます。
また障害が起きた時に、ZabbixエージェントがZabbixサーバーに障害状況を報告する機能も提供しています。
【参考】:Zabbixエージェント
Zabbixエージェント2
Zabbixエージェント2は、Zabbixエージェントの次世代版のプロセスです。Zabbixエージェント2では、Zabbixエージェントと比較してTCP接続の数を減らしていたり、プラグイン拡張がより簡単に利用できるようになったりします。
そのため、これからZabbixを利用する場合は、Zabbixエージェント2を利用することをおすすめします。
【参考】:Zabbixエージェント2
ZabbixにはAPIもある
前述の通り、ZabbixにはAPIが用意されています。ここでは、Zabbix APIの概要について解説します。Zabbix APIで何ができるのか気になる方は、ぜひ参考にしてください。
Zabbix APIについて
Zabbix APIでは、Zabbixの設定をプログラムから変更したり、データアクセスを行ったりできます。これらの機能は、Zabbixと他のアプリケーションを連携させる時や、ルーチンワークを自動化させたい時に利用されます。
また、Zabbix APIはWebベースのAPI であり、クライアントとAPIのやりとりは、JSON形式で行われます。詳細についてはドキュメントにも記載がありますので、Zabbix APIについてより深く知りたい場合は公式サイトを確認しましょう。
ちなみに、公式サイトのドキュメントはバージョンごとに分かれています。本記事では、執筆時点で最新のバージョン6.4のドキュメントを参照していますが、実際に自分でインストールなどをする際には、自身が利用するバージョンのドキュメントを参照してください。
Zabbix APIでよくある疑問
Zabbix APIを利用してみたいものの、まだ不明点がある方も多いのではないでしょうか。ここからは、Zabbix APIに関するよくある疑問を紹介します。
■ Zabbix APIでホストを登録する方法が分からない
Zabbix APIでは、メソッドを使用してホストを登録します。現在構成されているホストのIDやホスト名、インターフェースなどを取得したい時には、「host.get」というメソッドを利用します。
具体的なメソッドの記述方法についてはここでは割愛しますが、詳しく知りたい場合は、参考サイトを参照してください。
■ Zabbix APIの認証トークンの取得方法が分からない
Zabbix APIを利用する時には、認証トークンというものが必要です。認証トークンを取得したい場合、JSON形式でリクエストを投げましょう。
この時、認証トークンを取得するのに必要なメソッドは「user.login」メソッドです。メソッドの詳細などを詳しく知りたい場合は、以下のドキュメントを参考にしてください。
【参考】:Zabbixドキュメント Zabbix API
【参考】:Zabbixドキュメント Zabbix API user.loginメソッド
Zabbixを活用してネットワークを一元管理しよう
本記事では、Zabbixの概要やAPIについて詳しく解説しました。前述の通りZabbixではネットワークやサーバなどの監視を一括で管理できます。さらに、APIを利用することでルーチンワークも自動化できるため、非常に便利なソフトウェアだと分かりました。
さらに、Zabbixは無料のオープンソフトウェアですので、低コストでネットワークの一元管理をしたい方は、この機会にぜひZabbixを利用してみましょう。