パナソニック システムネットワークス開発研究所(PSNRD)は10月31日に、パナソニック横浜地区構内に大型電波暗室を新設し、サブテラヘルツ帯である330GHzまでの超高周波に対応した「測定・評価サービス」を開始する。
新サービスは、移動体通信の高速大容量化に伴い5G(第5世代移動通信システム)・6G(第6世代移動通信システム)における使用周波数帯の高周波化を見据えて必要という大型電波暗室や各種測定機器が利用できる。6Gアンテナ、衛星通信、レーダーなどの各種機器の開発において、電波特性に加えて材料の電気特性なども計測でき、機器開発のスピードアップやコストダウンにつなげるもの。
同サービスの特徴として同社は、大型電波暗室、300GHzまで対応する各種測定機器、300GHzまで対応する材料特性の測定、無線技術に精通した技術者によるサポート・サービスの4点を挙げる。
大型電波暗室は、無線性能を正確に把握するため、床面も電波吸収体で覆った6面電波暗室。 高周波・高利得・狭ビーム化に伴うアンテナの遠方界測定に対応して、最大7mのアンテナ間距離を確保したという。
測定高3mによるクワイエット・ゾーンの拡大および、機器本体影響を含め30kgの測定物まで2軸回転による全立体角測定が可能とのこと。
測定機器は、ベクトル信号発生器、任意信号発生器、シグナル・アナライザ、ネットワーク・アナライザおよび、周辺測定機器などの主要測定機器群を備え、5G向けOTA(Over The Air)測定および、6G先行要素開発向けの100GHzを超える周波数帯の測定を実現したという。衛星通信やレーダーなどの開発にも利用できるとしている。
材料特性の測定については、無線部やアンテナの設計に一般的に使われる各種シミュレーションにおいて、重要な材料の電気特性である比誘電率・誘電正接を測定する。サポート・サービスは、同社が培ってきたという無線技術に精通した技術者が、要望に沿った測定・評価、シミュレーションの活用手法を提案する。
また、測定・評価結果から課題が発生した場合は、開発委託業務に切り替えて、その課題解決に協力することも可能とのこと。