NTTデータは11月1日に、引越しに伴う行政手続や、電気・ガスなどの民間事業者の手続をまとめてオンラインで実施できるサービスを開始する。ファースト・ユーザーとして、引越しのポータルサイトを提供するウェブクルー(Smyb)と、石川県のエリアを中心とした事業者4社が同日に利用開始する。

  • サービスの全体像

新サービスは、同社が提供するパーソナル・データ流通基盤である「BizMINT」を使用して実現するもの。マイナポータルによる電子申請等APIと連携し、全ての市区町村に対し、オンラインによる転出届の提出と転入における来庁予定の連絡ができるのは、同社によると民間サービスとしては国内初だという。

同サービスでは、引越しポータルサイトなど引越し手続に関するアプリ/ポータルを提供している事業者(ポータル事業者)に向けたサービスと、利用者の新規申込みや住所変更などの申請情報を受け取る事業者(受け手事業者)に向けたサービスを提供する。

2023年11月のサービス開始時点での接続先自治体・事業者は、自治体が全国の自治体と石川県加賀市上下水道部、ポータル事業者がウェブクルー、受け手事業者が加賀ケーブル、西日本電信電話(NTT西日本)、北國新聞社、マルヰの各社。

民間事業者の手続に関しては加賀市の全面協力を受けて同県の事業者との連携を先行して開始し、今後は、順次全国の事業者との連携を拡大していくとしている。

  • BizMINTの利用イメージ

同サービスにおけるポータル事業者向けサービスでは、マイナポータルと連携することで、利用者が引越しポータルサイト上で自治体への申請(転出届/転入・転居予定の連絡)や、BizMINTと連携している受け手事業者(電気・ガスなど)の民間手続が可能になる。

受け手事業者向けサービスに関して、申請データの連携では必ず利用者本人から同意を取得しており、また本人確認サービスである「BizPICO」で公的個人認証サービスによりマイナンバーカードを用いる厳格な本人確認を行っているため、受け手事業者は真正性の高い情報を受け取ることが可能だ。

また、同意情報および流通履歴の管理によりトレーサビリティーを確保しているという。申請データを自治体や受け手事業者へ連携する際は、BizMINTの同意管理機能や流通制御機能を用いて、本人から同意を取得すると共に、その同意情報や申請データを連携した履歴を適切に管理する。

さらに、マルチ・ポータルサイト方式により事業者の接続負担を軽減する。BizMINTが複数のポータル事業者と連携し、プラットフォームの役割を担うことで、受け手事業者はBizMINTと連携するのみで複数の引越しポータルサイトなどから情報を受け取ることが可能とのこと。サービス開始時点では、ウェブクルーが提供するポータルサイトである「Smyb」と連携予定だ。

同社は今後、順次全国の事業者との連携を拡大していくという。また、対象となる手続の業界や連携する事業者の拡大を図ることで、利用者のさらなる利便性の向上およびサービス付加価値の提供を進める予定だ。