電源開発 (以下、Jパワー)とKDDIは10月26日、J-POWERテレコミュニケーションサービスと合同で、KDDIが法人・自治体向けに提供する衛星ブロードバンド「Starlink Business」(以下、Starlink)と広域ネットワークサービス「KDDI Wide Area Virtual Switch 」を用いて、保守高度化による電力の安定供給に向けた山間部でのネットワーク通信の実証試験を末沢発電所(新潟県 魚沼市)のリパワリング工事で開始したことを発表した。

  • ネットワークのイメージ図

    ネットワークのイメージ図

Jパワーは全国各地に水力発電所を保有しているが、発電所の所在地は山間部が多いことから光ファイバーの引き込みが困難で、携帯電話の電波が届かない場所における高速で大容量なネットワークの構築が課題となっている。

今回の実証試験では、社内ネットワーク上のITシステム、クラウドサービスやネットワークカメラによる遠隔監視などの大容量通信へのStarlinkの適用、山間部でのさまざまな天候下における通信状況、長期間稼働した場合の影響などについて調査する。特に末沢発電所は豪雪地帯であり、冬季にかけて試験を実施することで、降雪時および積雪時の通信状況について確認する。

実証試験後はリパワリング工事の水車発電機などの据付が開始されるため、ネットワークカメラでの工事状況の共有や運転開始後のプラントデータの遠隔サーバへの伝送、巡視点検での後方支援にStarlinkによる通信インフラを活用する計画だ。

  • 末沢発電所の位置

    末沢発電所の位置