ファインディは今般、ソフトウェア開発のプラットフォームであるGitHubやGitLab、Jiraなどエンジニア向けツールを解析することで、エンジニアリング組織の生産性を可視化するサービスである「Findy Team+」を利用している企業を対象に「エンジニア組織の生産性指標」を算出し、「組織規模、チーム別」および「優れた取り組み」を表彰する「Findy Team+ Award 2023」の受賞企業を発表した。
本レポートでは、Findy Team+ Award 2023の模様と、表彰企業の中からワンキャリアの事例について取り上げる。
「Findy Team+ Award 2023」表彰企業
最初に登壇したファインディの代表である山田裕一朗氏は、表彰に先駆けて「開発生産性への注目の高まり」について紹介した。
ファインディが「昨年と比べた『開発生産性』の注目度合いにおいて、次のうちあなたの考えに最も当てはまるものを選んでください」と聞いたアンケートによると、52.8%が「昨年より開発生産性は注目されている」と回答する結果となったという。
加えて、「今後の『開発生産性』の注目度合い」を尋ねた設問では、89.6%が「今後も開発生産性が注目されていくと思う」と回答しているそうで、山田氏は重ねて開発生産性というテーマの重要度について強調していた。
「弊社のメンバーも海外でのカンファレンスに参加させていただく機会も多いのですが、世界全体で重要度が高まっているように思います。日本においても、メガベンチャーや大手企業の中でもイベントや情報発信が増えてきていると言えるでしょう。Findy Team+の現状というところでも、トライアル企業は300社を突破し、連携チーム数は1万2000を超えました。エンジン組織規模も100人を超える企業の割合が徐々に高まっており、ニーズの増大を感じているところです」(山田氏)
Findy Team+ Award 2023では、エンジニア組織が100人以上の企業である「Large Division」、エンジニア組織が50〜100人未満の企業である「Medium Division」、エンジニア組織が50人未満の企業である「Small Division」、組織規模に関わらず過去1年間で生産性スコアが大きく向上した企業が対象の「Growth Division」の4つのパートに分かれて表彰企業が発表された。
Large Divisionで表彰されたのは、アンドパッド、KINTOテクノロジーズ、ZOZO、DMM.com、BuySell Technologies、はてな、マネーフォワード、メドピアの計8社。
Medium Divisionでは、いい生活、一休、GO、Chatwork、パーソルキャリア、PR TIMES、viviON、ゆめみの8社が表彰された。
Small Divisionでは、and factory、うるる、クラビス、スターフェスティバル、スマートショッピング、セゾン情報システムズ、ダイキン工業、Uniposの名前が挙げられ、Growth Divisionでは、Acall、助太刀、ワンキャリアが表彰された。
また、これらの表彰の区分は2022年度と同様だが、2023年度版では「Team Award」「Best Practice Award」が新設され、より多くの開発生産性への取り組みが表彰された。
Team Awardは、過去一年でアウトプットスコアが高いチームを表彰する「Output Division」、過去1年でリードタイムスコアが高いチームを表彰する「Leadtime Division」、3カ月間での開発生産性スコア向上率が高いチームを表彰する「Quick Success Division」、過去1年でレビューリードタイムが速いチームを表彰する「Quick Review Division」、過去1年で1人あたりマージ済みPR・MR数が多いチームを表彰する「High Contribution Division」という区分で分けられており、それぞれ3社が選出されている。
また、Findy Team+を用いた開発生産性へのトライに関する優れたプラクティスを行った企業は「Best Practice Division」での表彰が行われ、アンドパッド、クラスメソッド、ZOZO、viviON、ワンキャリアという5社が選出された。
発表会には、これらの企業を代表して、ZOZOの堀江亮介氏、ワンキャリアの宇田川涼平氏、viviONの松永和也氏、アンドパッドの後藤大介氏、クラスメソッドの丸山大仁氏が登壇し、それぞれの企業の事例が紹介された。
クラスメソッドの導入事例 「定量的な可視化が意識と行動を変えた」
先述した登壇企業の中から、クラスメソッドの「定量的な可視化が意識と行動を変えた」というテーマの事例を紹介する。