10月26日、生成AIを中心とするAIのビジネス利用が急拡大する中でのリスク認識の高まりと、それを受けた政策的な動向を踏まえ、業界を横断した有志企業で構成する「AIガバナンス協会(略称: AIGA)」が設立された。同協会では、企業と社会が安心してAIを活用し、持続可能な成長を遂げるために、多様なプレイヤーがAIガバナンスのあり方を議論するとともに、そうした知見をもとに政策提言などの活動を行う。

生成AIの流行により、多くの企業が成長戦略の中に「AI活用」を位置づけるようになり、「第4次AIブーム」とも呼ばれるムーブメントが発生している。その一方で、従来のソフトウェアと質的・量的に異なるAI特有の脆弱性、AIリスクも社会的に注目されるようになっている。同協会はAIを社会に実装する企業に対して、AIのリスクを管理・対策する「AIガバナンス」を求める声が強まっていることを背景に設立された。

これまでも、産業の持続可能な発展のためにどういったAIガバナンスが必要かについて、産業界有志での研究会なども実施されてきた。今回、G7において広島AIプロセス(ChatGPTを含む生成AIの活用や開発、規制に関する国際的なルール作りを推進するため、G7の関係閣僚が中心となり議論を行う新たな枠組み)の策定などの具体的な動きが進んでいる中で、より多様な協力者を募るため、オープンなコンソーシアムという形での議論を開始することを決めたという。

同協会は議論を通じて、最新の実務や国内外の制度動向を踏まえたAIガバナンスのスタンダードを確立することで、各業界別で行われる個別議論にも貢献することを目指す。現時点では「研究会などを通じた、基盤モデル開発者やAIサービス提供者それぞれの、AIガバナンスのあり方についての業界横断での議論・共通理解の醸成」「AIに関する制度整備のあり方についての検討・政府への政策提言」という2つの活動を主軸に置く予定とのこと。

なお、AIガバナンス認証制度の枠組みへの賛同企業は以下の通りとなっている。

  • ,AIガバナンス認証制度の枠組みへの賛同企業一覧

    AIガバナンス認証制度の枠組みへの賛同企業一覧