NTT東日本グループでドローン事業をてがけるNTT e-Drone Technologyは10月23日、千葉県長柄町において、ICTツールや農業ドローンの導入などにより、一斉防除のとりまとめ業務を40%効率化できたことを発表した。
千葉県長柄町は、豊かな自然と地下水に恵まれた米の産地。近年では、小規模圃場が多く、高齢化が進んでいることを背景に長柄町主導による一斉防除を実施しているが、長柄町職員の業務負担が課題となっていたという。
一斉防除のとりまとめに関する長柄町職員の業務としては、農家への意向調査、調査のとりまとめ、散布地図の作成、地域住民への協力依頼、当日の散布立ち合い、散布結果の集計など多岐にわたる。これらの業務の効率化に向け、NTT e-DroneTechnologyが、長柄町の実情にあわせた一斉防除用のデータベースと、それに付随するアプリやオペレーションを提供した。
まずは抜本的な業務効率化につながるデータベースの整理を行った。圃場管理やデジタル地図作成のためのデータベースを整理。調査票をデータベース化に適した項目へと、できるだけ従来の調査票を変えないようにしながら変更した。
また、日程変更や地図作成、現地立会といった業務負担の大きかったアナログ作業をICTツールの活用で効率化した。データベース化によって名前・圃場・面積・散布日の検索や変更が容易になり、日程別に色分けして散布すべき圃場をデジタル地図に表示したり、スマホのGPS機能により、散布作業者は自分自身と対象圃場の位置関係を正確に把握できるようにしたりと業務効率化を進めた。
加えて、小規模圃場に適した国産の農業ドローンも活用。長柄町では一斉防除をこれまでヘリを中心に実施してきたが、日本の圃場にあわせて開発されたNTTイードローン製の「AC101」を採用。
長柄町は2023年、2600筆の圃場を対象に一斉防除のとりまとめ作業を行い、最終的には1500筆、約250haの圃場に散布を実施した。この一連の作業において、長柄町の職員の業務を約40%効率化することができた。一斉防除にかかる費用は昨年とほぼ同額だったという。2024年も長柄町と連携しながら一斉防除のとりまとめ作業の効率化を推進していく予定とのことだ。