Microsoftは10月18日(米国時間)、Windows 11の最新のプレビュービルドとなる「Windows 11 Insider Preview Build 25977」を公開した。この最新のビルドでは、Bluetooth Low Energy Audio(LE Audio)を備えた補聴器のサポートが追加され、補聴器を使用するユーザーアクセシビリティが大幅に向上する。
Bluetooth LE Audioは、低電力での近距離無線通信を実現するBluetooth LEをベースとしたオーディオ規格である。低電力で高品質な無線オーディオを実現するだけでなく、補聴器の新しい規格も備えている。
Build 25977で追加されたBluetooth LE Audioのサポート機能によって、LE Audio対応の補聴器を使用している場合に、Windows PCと直接ペアリングし、オーディオのストリーミングや通話などを行えるという。PC側のデバイスもLE Audioに対応している必要があり、対象機種の例としてはGalaxy Book3 Ultra、Galaxy Book3 Pro 360、Galaxy Book3 Proなどが挙げられている。
現在流通している補聴器の中には、スマホやPCとBluetoothでペアリングし、オーディオストリーミングや音声通話や音楽再生を利用できるものがある。しかし、従来のBluetoothによるオーディオ規格「Classic Audio」は、消費電力が大きいことや、左右の補聴器に対して個別にオーディオストリームを確立するのが困難であるなどの問題を抱えていた。LE Audioでは、補聴器のユーザ向けにこれらの問題の解消する仕組みが実装されている。
Build 25977には、LE Audioによるアクセシビリティ向上のほかに、Wi-Fiネットワークによる位置情報の改善や、SMB over QUICにおけるクライアント管理機能の改善などといった変更が含まれている。Build 25977は現在、Windows InsiderプログラムのCanaryチャネルに登録しているユーザーであれば利用可能。