NECは10月19日、愛媛銀行の基幹系システムと連携する「新アプリケーションプラットフォーム」をアマゾン ウェブ サービス(AWS)上に構築し、10月より同プラットフォーム上で稼働するアプリケーションの開発に着手したことを発表した。同社のメインフレームで稼働する基幹系システムと柔軟に連携可能なプラットフォームをクラウド上に構築することで、異業種企業との連携や新しいサービスの迅速な開発・提供を可能にするという。
昨今、地方銀行をはじめとする金融機関では、変化する顧客ニーズに応え、競合他社と差別化を図るため、FinTech企業や非金融事業者などの外部事業者との連携を促進するオープンバンク化への取り組みを加速しているという。
そのような背景の下、NECは、システム開発の柔軟性を高めるため、安定性に優れたNECのメインフレーム「ACOSシリーズ」を活用した基幹系システムの周囲にクラウド技術を全面的に採用したクラウドネイティブな連携プラットフォーム「新アプリケーションプラットフォーム」を構築するに至った。
同プラットフォームは、同社が蓄積したノウハウを活用し、アプリケーションの実行単位を自由に設定することができるコンテナ実行基盤や開発プロセスの自動化機能など、AWSのさまざまな機能を活用することでアプリケーションの開発・運用を効率化しているという。
これにより、DX(デジタルトランスフォーメーション)時代における新しい金融システムの提供形態であるBaaS(Banking as a Service)を活用したエンベデッド・ファイナンスの実現に向け、オープンAPIによる外部サービスとの連携性の向上やマイクロサービスによるサービスの迅速な開発・提供、クラウドによる柔軟なスケールを支援する。さらに、同プラットフォーム上でのアジャイル型のアプリケーション開発やシステム運用を通じて、愛媛銀行におけるDX時代を支えるクラウド人材育成に貢献するという。