2023年10月17日から20日まで千葉県・幕張メッセにて開催されている「CEATEC 2023」で、日本テレビ放送網(日テレ)はNTTデータと共同で開発した、さまざまな映像に対してAIにより自動でモザイクを入れるサービス「BlurOn」などを展示している。
今回、同社ブースの展示の中で注目を集めていたのは、日テレとNTTデータが協同で開発した「BlurOn」というサービスで、AI技術の活用により映像編集のモザイク入れ作業の負担を削減してくれるというもの。
従来は映像編集者が1フレームずつ人の顔やナンバープレートなどへのモザイク入れ作業を行っており、ベテラン映像編集者でも1分間の映像に対し1時間程度かかることもあるなど、大きな負担となっていたとブース担当者は語る。また、近年では個人情報保護の重要性が高まっており、番組制作においても慎重な取り扱いが必要で、より作業負荷が増大している課題があるという。
そうした中でBlurOnを活用すれば、NTTデータが持つ高精度なAI技術で主に人の顔、頭部、全身、車のナンバープレートなどを自動検出してくれるため、該当部分に自動的にモザイクがかかり、モザイク入れ作業の時間を削減することが可能となる。先行事例では最大90%程度の作業時間削減を実現したとし、精度も高く評価を受けているとした。
また、Adobeの「AfterEffects」に追加できるプラグインという形式のため難しい操作を覚えたり、モザイク入れ作業のたびに別ソフトを立ち上げたりする必要がないほか、「Premiere Pro」ともスムーズに連携が可能だという。
すでに、日テレをはじめとするさまざまな放送局やポストプロダクションなどに導入されており、具体的には「月曜から夜ふかし」、「笑ってコラえて!」、「シューイチ」などの有名番組にて活用されているとする。
展示ブースではリアルタイムでカメラの前を通った人々の顔にモザイクがかかる様子をデモンストレーションとして実施。その精度の高さをアピールしており、「将来的にはYouTuberをはじめとする各個人で映像制作を行っている方々にも使ってもらえるよう、サービスを拡大させていきたい」とブース担当者は語っていた。