日本電気(NEC)は、人気のPythonライブラリ「pandas」を高速化するソフト「FireDucks」を開発、β版を公開した。3-Clause BSD Licenseで提供されており、pip install fireducksでインストールできる。

pandasと同じAPIを提供し、import文(import fireducks.pandas as pd)の変更で利用できる高互換性を持つ「FireDucks」はマルチコアCPUの全コア利用、大量データの並列処理の効率化などで高速化を図るもので、pandasを用いて作成されたプログラムを最大16倍、平均約5倍(TPCx-BBベンチマーク(https://www.tpc.org/tpcx-bb/)による同社試験)の結果を発表している。

AIや機械学習によるデータ分析の需要の高まるなかで、データサイエンティストの業務時間の多くを占めるデータ前処理を約30パーセント削減できることを同社は述べており、機能の改良を進めることで2024年度中の事業化を目指す。なお、トヨタテクニカルディベロップメントが活用した結果として、データ解析時間の60%削減や解析PC稼働時間の76%削減などの実績を得ており、同社Webサイトに詳細を掲載している。