tonariは10月18日、離れた2拠点間を常時接続して等身大のスクリーンに映し出し空間を拡張するソリューション「tonari」の次世代モデルとなる「tonari lite」の提供を開始すると発表し、記者説明会を開催した。従来モデルは「tonari pro」と改称して引き続き提供する。

  • 従来モデルの「tonari pro」

    従来モデルの「tonari pro」、スクリーンの向こうは葉山のワーキングスペース

tonariとは、等身大のスクリーンを介して超低遅延かつ高解像度の映像で遠距離拠点間をつなぐコミュニケーションツール。つながった相手の部屋全体を見渡せるスクリーンを備え、離れた地点でもタイムラグを感じさせない自然なコミュニケーションが可能だ。これにより、遠隔にいるチーム同士でも「コプレゼンス(つながっていると感じる共在感覚)」を感じながら、相互の空気感を共有できるという。

まさにドラえもんのひみつ道具「どこでもドア」のように国や地域をシームレスにつなぎ、リアルタイムなコミュニケーションを実現している。常時接続している点が特徴でもあり、ちょっとした用事があればすぐに離れたオフィスに声をかけられる。

同サービスの提供開始から約3年が経過し、大小さまざまな組織や施設にさらに展開するためにはコストの削減と設置の簡易性を高める必要があることが明らかになったという。そこで製造プロセスを改善し、さらに設計とデザインを一新することで、従来モデルよりも汎用性のあるサイズと価格を実現したとのことだ。受注から導入までの時間も短縮している。

  • 新モデル「tonari lite」

    新モデル「tonari lite」

新モデルとなるtonari liteは従来モデルから横幅を約40センチメートル削減し、省スペース化を実現したことで少人数での会話に最適化し、小規模なオフィスや医療施設、教育機関などスペースが限られている場所にも導入できるようになった。

  • 「tonari lite」を介したコミュニケーションの様子

    「tonari lite」を介したコミュニケーションの様子

他にも、小人数でのコミュニケーションを必要とする組織や、海外拠点とのコラボレーションを希望する中小企業、日本を中心としながら東南アジアにも進出したい企業などに向けて展開するとのことだ。

サブスクリプションの価格について、CEOのTaj Campbell氏は「具体的な価格は利用期間や利用用途に応じても変わるが、月に1回の海外出張と比較検討ができる程度に抑えている。数回の国内出張とも変わらない価格で展開するので、サテライトオフィスや地方に拠点を持つ企業に活用してほしい」とコメントしていた。

  • tonari CEO co-founder Taj Campbell氏(中央)

    tonari CEO co-founder Taj Campbell氏(中央)

さらに新機能として、Zoom、Google Meet、Microsoft Teams、Webexなど既存の会議システムとのハイブリッドコールのサポートを追加した。また、付属のシェアモニターにはさまざまなデバイスをHDMIケーブルまたはワイヤレスで接続でき、共同作業や資料を共有しながらのプレゼンテーションも可能となった。これらの新機能は「tonari pro」にも搭載予定だ。

  • Zoomを使いながらtonariでコミュニケーションも可能となった

    Zoomを使いながらtonariでコミュニケーションも可能となった

tonariシリーズは両製品とも、同社がハードウェアとソフトウェアの開発を手掛けている。極限まで自然なコミュニケーションの実現を目指したとしており、遅延はおよそ100ミリ秒以下とのことだ。拠点間でじゃんけんができるほどタイムラグは小さい。

Taj氏は今回の新製品発表にあたって、「さまざまな最新技術とリサーチの結果を詰め込んでいる。今後はいろいろな国や組織がtonariでつながっていくことを目指しており、今回の製品発表はtonariが社会インフラになるという夢への一歩でもある」と述べた。

  • プラハのワーキングスペースとも時差を超えてラグのないコミュニケーションを体験できた

    プラハのワーキングスペースとも時差を超えてラグのないコミュニケーションを体験できた、日本では夕方(16時)だったがプラハは朝ごはんの時間だったようだ