ネクスティ エレクトロニクスは、CO2を排出しないことが特徴の小型の空冷式水素燃料電池を搭載した水上ゴミ回収ドローンを開発したことを発表した。
同社はこれまでも、水素燃料電池を活用した電動ラジコン草刈り機や空中ドローンの開発において、水素燃料電池の搭載に関する技術サポートを実施してきた経験を有しており、その流れで今回は小型の空冷式燃料電池を搭載した水上ドローンの開発を実施。
CO2排出量削減の機運が高まるなか、水素はCO2を排出しないクリーンなエネルギー源として注目されているが、小型の空冷式水素燃料電池については、市場に導入されて間もない段階であることから、活用を推進するには認知度を向上させる必要があるほか、市場規模の拡大が必要だとの判断から、水素を活用することによる環境への負荷軽減および長時間稼働の実現に着目し、さまざまな用途への活用について検討を行った中から、今回の取り組みに至ったという。
実際の開発にあたっては、水素燃料電池と他の機器における技術的な動作整合が必要であったことから、同社が代理店を務める産業用機器向けの高密度水素燃料電池のカスタム開発・製造を行っているSpectronikの水素燃料電池「Protiumシリーズ」を採用することを決定。その結果、1回の水素充填で約4~16時間の稼働が想定できるようになり、リチウムイオンバッテリーを用いた水上ドローンと比較して、航続距離を2倍に延ばすことが可能になったとしている。
同社は、今後も無人搬送車やゴルフカート、空中ドローン、ロボット、農機具など、さまざまな機器への燃料電池の導入を進め、その活用範囲の拡大を図っていくことで、地球環境の保全に貢献したいとしている。