Stack Overflowは10月16日(米国時間)、公式ブログ「A Message from Prashanth Chandrasekar, CEO Stack Overflow」において、従業員の28%を解雇する決断を下したと伝えた。これによって同社は市場開拓チームを大幅に縮小するほか、サポートチームを含むその他のチームも規模を縮小するという。
同社CEOのPrashanth Chandrasekar氏は解雇の理由について「2023年は支出を減らすために多くの措置を講じたものの、十分ではなかった」と説明している。Chandrasekar氏は明言していないが、Stack Overflowの業績悪化には少なからずChatGPTをはじめとする生成AIの登場が影響しているだろう。
従来、多くの開発者が自らが抱えている課題の解決策を見つけるためにStack Overflowを利用し、コーディングの解答やヒントを見つけてきた。しかしChatGPTの登場以降、その役割は生成AIに取って代わられつつある。実際、Stack Overflowのトラフィックは2022年から2023年にかけて大幅に減少したという分析も報告されている(参考記事:Stack Overflowの役割はChatGPTなどAIチャットに移りつつある | TECH+(テックプラス))。
Stack Overflow側も無策だったわけではない。同社は2022年12月に、サービス内の回答の品質を維持するために、ユーザーがAIチャットボットで生成した回答を投稿することを禁止した。2023年4月には、AIモデルの学習におけるStack Overflowのコンテンツの利用に対して利用料金を請求する方針を発表している。また、独自のAIソリューションである「OverflowAI」の提供も開始した。
同社では2024年度に向けて収益性に重点を置き、Stack Overflow for Teamsとパブリックプラットフォームの両方における製品イノベーション、およびOverflowAIに継続的に取り組む構え。