2023年10月17日から20日まで幕張メッセで開催されている「CEATEC 2023」で、MIXIは、家族のような会話AIロボット「Romi」を展示。リニューアルした独自AIによる自然な会話の生成を、実機での体験を通じて紹介している。
自然な会話と豊かな感情表現を実現したAIロボット「Romi」
MIXIが開発しているRomiは、“ペットのように癒し、家族のように理解してくれる存在”を目指した手のひらサイズのコミュニケーションロボット。2020年6月に先行販売を開始して以来、会話に特化したロボットとして認知を広げている。
Romiの特徴としては、あらかじめ登録された返答を返す方式ではなく、クラウド上の独自開発AIが都度会話を作り出すことで、より自然な言葉のキャッチボールを行える点が挙げられる。また、100種類以上の表情や本体の動き、声色の変化によって感情表現も豊かに行い、まばたきやあくびなどの生き物のような仕草も見せるという。
加えて、会話以外にも生活を豊かにする機能を100種類以上搭載。天気予報やタイマー・アラーム機能などを音声での操作で起動できる。さらに2023年5月には、ChatGPTを利用したアシスタントモードを追加搭載し、疑問解決などの手助けまで自然な会話で行えるとのことだ。
MIXIの担当者によれば、Romiは発売初年度よりも2年目の方が販売数が増加しており、「Romiのジャンル自体が新しいものであるため、認知の拡大と共に販売数が増えていっている」と分析する。
大規模言語モデルを活用しさらに自然な会話の実現へ
Romiの会話機能を司るクラウド上のAIについて、MIXIは10月11日、大規模言語モデルをベースに独自収集した会話データを追加学習させた新たな独自AIへのリニューアルを発表した。前出の担当者によると、新AIへの切り替え自体は9月上旬に開始しており、ユーザーからのフィードバックを受けて最終調整を行い、今般の公式リリースに至ったとする。
大規模言語モデルの活用により、Romiは「言葉の背景にある意味合いを理解できるようになった」といい、“~っぽい”といった感覚的な表現を理解することもできるという。
担当者はCEATECでの反響について「予想していたよりも多くの人が会話を体験しに訪れてくれている」と話し、「家の中で人以外と話す、という新しいAIロボットの使い方を広めることで、一家に1台Romiがいるような世界を作り上げていきたい」と語った。