2023年10月17日から20日まで千葉県・幕張メッセにて開催されている「CEATEC 2023」で、三菱電機は時間や場所に制約なく誰でも簡単に遠隔操作ができる「AVATARリューション」や、自動走行ロボットによる配送サービスなどを展示している。
誰でも簡単に遠隔操作が可能なAVATARソリューション
同社ブースでは、「地球環境保全への取り組み」、「安心安全な社会の実現」、「あらゆる人がいきいきと過ごせる社会の実現」をテーマとした3つのゾーンを展開しており、その中でも多く注目が集まっていた技術が誰でも簡単に遠隔操作が可能なAVATARソリューションだ。
同ソリューションは、遠隔操作が可能なロボットを活用して危険な場所において作業する際や手元から離れた場所における作業を、時間や場所に制限なく実現することを可能にしたもの。
実際にスマートフォン(スマホ)を使い、遠隔ロボットの操作を体験してみたが、シンプルなタッチUIによる操作設定を採用しているため3分程度の説明を受けただけでミッションを達成することができ、誰でも簡単に操作できることを改めて実感することができた。
また他社の発表済み遠隔ロボットの顔には、アニメ風な表情を採用したものが多い中、同ソリューションの遠隔ロボットでは、操作者の顔が映し出される手法を採用。「さまざまな議論があったが個々人のアイデンティティや個性をだしたり、共同で作業する際に離れていても共に作業する作業者を感じられたらいいと思い顔を映す仕組みにした」とブース担当者は語っていた。
また、「技術革新が進み自動化が進む中でも、作業全体から完全に人を排除することは不可能に近い。もしできたとしても結果的に最終確認において人が必要となる。そのため、このAVATARソリューションで各々の分身が動作を代わりに行ってくれる仕組みを構築出来たら、離れた場所においても作業ができるほか、身体的に不自由な方でもショッピングに行ったりすることが体験できるようになるだろう」とAVATARソリューションの未来について期待感を語っていた。
自律走行ロボットによる配送サービス「Cartken」
三菱電機のブースでは同ソリューションのほかにも、自律走行ロボットによる配送サービス「Cartken」のデモ展示が行われている。
これは、コロナ渦を経たニューノーマルな生活様式に対応した非接触型配送サービスとして、アプリから注文した飲食店や食料品店などの商品を自立走行型ロボットにより配送し受け取ることができる配送サービスの実現を目指したもの。
同社ブースでは、Cartkenが日常生活でよく見かける歩道と車道の境目を意識した数cmほどの段差に対しても高い走破性能により乗り越え、マンションやビルのゲートを通過するデモの様子を見ることができる。
「現在はまだ人件費と機械導入費用が同じくらいのため、今後さらに拡大していきお客さまの利便性を向上すると共に、働き手の業務負担が軽減できるようになれば」とブース担当者は語っていた。なお、実際にイオンモールや楽天などへの導入が進められており、同社では、これから人とロボットが共存する都市へと広がっていくことが期待されるとしている。