米Microsoftは10月16日(現地時間)、App Assureを通じて、Arm版Windows 10/11向けアプリの開発を支援する開発者向けアドバイザリーサービス「Arm Advisory Service for developers」を発表した。

Armアドバイザリーサービスは、Windows on Armでアプリを実行して問題が発生した際に、Microsoftがその修正を支援する無償のエンジニアリングアドバイザリープログラムだ。Counterpointによると、ArmベースのPCの市場シェアは今年春時点の14%から2027年までに25%へ増加する見込みだ。Windows on Armでは、ARM64向けにコンパイルされたネイティブアプリに加え、Windows 10 on Armで32bit版のWindowsアプリ(x86)の実行が可能。Windows 11 on Armではエミュレーションの範囲がさらに広がり、64bit版のWindowsアプリ(x64)のアプリも実行できるが、ArmベースのPCの成長を促すにはネイティブアプリが増えることが望ましい。それによってWindowsユーザーのニーズに応えられ、Windowsのエコシステムがさらに充実する。

Microsoftはすでに3年以上にわたって、コードサンプルの提供、コードレビュー、開発のベストプラクティスの共有、デバッグの支援を通じて、開発者がArmに最適化されたアプリを作成するのを支援してきた。それを公式のArmアドバイザリーサービスとしてより充実させ、以下のように開発者サポートを拡充する。

  • 開発のベストプラクティス、ガイダンス、実装に関する質問に対応するテクニカル・ワークショップ
  • Armのアプリケーション体験を向上させるプラットフォーム機能に関する提案
  • Arm向け開発のコードサンプルとレビュー
  • Armアプリの移植やビルド時に問題が発生した際の障害修正支援
  • Microsoftのエンジニアによる開発支援、フィードバックを提供する機会

このサービスを利用するには、Windows Arm Advisory ServicesのWebサイトでフォームに記入して申し込む。

Microsoftは様々なアプローチでArm版Windows向けネイティブアプリの開発支援を展開しており、2022年5月にMicrosoft BuildでArmネイティブアプリの開発環境を提供するArmベースのコンパクトPC「Windows Dev Kit 2023」を発表。同年10月に599.99ドルで販売開始した(現在は在庫なし)。