Facebookを運営などを手掛けるMetaは、業績不振を理由に2022年から2023年上半期にかけて1万人を超える従業員をレイオフしたが、10月に入り自社向けカスタム半導体の設計チームの技術者に対するレイオフを開始する模様だと複数の米国メディアが報じている。
同社には、同社のメタバース関連の開発を担当するReality Labs部門が製造する拡張現実(AR)/仮想現実(VR)向けハードウェアの内部で動作する独自のカスタム半導体チップの開発に注力するFacebookアジャイル・シリコン・チーム(FAST)と呼ばれる半導体設計部門(約600人)があり、この部門がリストラ対象になっているという。ただし、Metaは公式コメントを行っていないため、具体的な解雇者の数などは明らかになっていない。
Metaは現在、先般、最新世代となる「Meta Quest 3」を発売したばかりのQuestシリーズと呼ばれるVRヘッドセットのほか、RAY-BANブランドなどを有する眼鏡メーカーEssilor Luxotticaと協力してスマートグラスを提供することも計画している。また、関連するスマートウォッチとともに、仮想オブジェクトをシースルーレンズに投影できる拡張現実メガネの開発にも取り組んでいるというが、外部サプライヤが提供する半導体製品と競合できるレベルのカスタム半導体の開発に苦戦している模様で、Quest 3などにはQualcommと共同開発した「Snapdragon XR2 Gen2」が搭載されており、半導体専業メーカーが開発する半導体チップとの差異化をカスタム半導体で実現しようという取り組みは簡単ではないことを示している。