半導体基板自動搬送装置メーカーのローツェが2024年度上半期(2023年3月~8月)の決算概要を発表した。それによると、同期の売上高は前年同期比10.4%減の409億9200万円、営業利益は同9.0%減の99億5200万円だったという。
同社が発表したのは2024年度の第1四半期と第2四半期を合算した累積値のみだが、第1四半期の数値と比較すると第2四半期のみの数値を導き出すことができる。その結果、第2四半期のみの売上高は前四半期比45.6%増の242億9900万円、営業利益は同10.9%増の52億3400万円で、受注高も同54.9%増の245億7400万円と、いずれも好調。この結果、市場関係者からは業績が底を打ったと受け止められ、発表翌日の同社の株価が跳ね上がった模様である。
ちなみに同社は、為替レートについて、期初の計画値である133円/ドルから第2四半期末には145円/ドルへと円安が進行したことを受け、為替差益39億円を計上している。
また、2024会計年度上半期の連結売上高を地域別・国別でみると、シェアは米国29%、中国23%、台湾16%、韓国12%、欧州7%、その他(ベトナム、シンガポールなど)3%となっており、特に第2四半期に米国(主に大手半導体製造装置メーカー)と中国(中国地場の多数の半導体製造装置メーカー)での売り上げが伸びたという。一方、台湾は大手ファウンドリの立ち上げが遅れているため、売り上げは微増にとどまったほか、日本市場のみ第2四半期の売り上げが前四半期比で減収となったという。
なお、同社は2024年度通期売上高を880億円、営業利益を216億円と予測しており、年度下半期(2023年9月~2023年2月)について、半導体関連企業の設備投資がこれまでの調整局面から回復に向かうとの見通しを立て、米国および中国での事業拡大を中心に伸びるとの見込みから上半期の業績を上回るとの想定を打ち出している。