Cortanaのサポート終了
Cortanaのサポート終了が、Windows公式サポートページで告知されました。2023年後半以降には、WindowsのCortanaアプリのサポートを終了すると表明しています。Microsoftによると、今後はAIを使用した作業の効率化に焦点をあてたソリューションを提供していく、としています。
【参考】:Windows での Cortana のサポート終了
そもそもCortanaとは
Cortanaとは、Windowsプラットフォームに搭載されるAIアシスタント機能を表します。音声を認識し、キーボード操作をすることなく、Bingでの検索や、生産性向上ツールと連動して作業を手助けします。
Cortanaは、自然言語処理により命令を解釈しますが、今日の新しいBingなどのような大規模言語モデルでは、さらに高速化・高性能化が進みより自然な言語解釈が可能となっています。
【参考】:Cortana とは
Cortanaのサポート終了の背景
Cortanaのサポート終了の背景には、AIの急速な利用拡大が挙げられます。OpenAIの提供するChatGPTは2022年11月に登場して以降、GPT-4は新しいBingにも組み込まれている状況です。Microsoftは、2019年以降OpenAIに投資を行っていますが、2023年1月には追加投資により、パートナーシップを拡大しています。
OpenAIとのパートナーシップの成果として、新しいBing、Microsoft 365 Copilot、GitHub Copilotなど多くのMicrosoftの製品・サービスにOpenAIの技術が活用されています。Microsoft WindowsにおいてもWindows 11の普及が進み、利用者に対して統合化されたAI利用環境の提供の必要性が高まってきています。
Windows 11では、エクスペリエンスの向上をテーマに機能を提供しており、AI機能の搭載はもはや避けては通れないものとなっています。そこで、次の2点を表明し、方向性を明らかにしました。
・利用者に対してWindows 11にWindows Copilotを導入し、利便性を向上すること
・開発者に対して、Bing ChatプラグインをWindowsに拡張し、アプリをWindows Copilotに統合可能にすること
【参考】:AI のパワーを Windows 11 にもたらす – Windows Copilot と Dev Home でお客様と開発者の生産性の新時代へ
【参考】:マイクロソフトと OpenAI がパートナーシップを拡大
引き続きCortanaを利用するには?
今回のCortanaサポート終了の発表は、Windowsのスタンドアロンアプリのみです。今後も従来通り、Outlook モバイル、 Teams モバイル、 Microsoft Teams ディスプレイ、 および Microsoft Teamsの会議室で使用できます。
【参考】:Outlook モバイルのCortana
【参考】:Teams モバイルのCortana
【参考】:Microsoft Teams ディスプレイのCortana
【参考】:Microsoft Teamsの会議室のCortana
Cortanaサポート終了による代替案
Microsoftでは、公式サポートサイトで代替案を提示しており、メーカーの義務としてサポート終了の影響を低減しています。詳細は以降で解説していきます。
Cortanaは、そもそもいるの?いらないの?などと不要な場合もあるため、無効にしたりアンインストールしたりすることもあります。また、「Cortanaを更新しています」から復旧しないなどのトラブルに遭遇する場合も稀にあります。
このことから、Cortanaサポート終了で、すぐに影響があるのは一部の方に限定されると見られます。
【参考】:Windows での Cortana のサポート終了
Windows 11の音声アクセス
Cortanaと似ている音声機能に、Windows 11の音声アクセスがあります。PCを制御し、音声からテキストを作成することができます。Windows 11の新機能で、22H2以降で使用できます。Cortanaの代替として、アクセシビリティの向上が可能です。
【参考】:Windows 11の音声アクセス
【参考】:音声アクセスの概要
新しいBing
新しいBingは、生成AIのエンジンGPT-4をベースとしています。複雑な質問をプロンプトで指示し回答を得ます。出典情報に基づいて正確な回答を作成することも可能ですので、ウェブの検索とチャットそれぞれのメリットを享受することができます。新しいBingにより、Cortanaの代替以上のメリットが得られるでしょう。
【参考】:新しいBing
Microsoft 365 Copilot
Microsoft 365 Copilotでは、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teamsなどといったオフィスアプリケーションに、AI機能が搭載されます。そのため、それぞれのデータを相互に使って、予定表、メール、チャット、ドキュメント、会議などの新たなデータやコンテンツを作成が可能となります。
【参考】:Microsoft 365 Copilot を発表 – 仕事の副操縦士
Windows Copilot
Windows Copilotは、WindowsにAI支援機能を集約するものです。今後のAI時代の中心的なWindowsの機能となります。具体的には、BingのチャットやMicrosoftや他社の作成したプラグインを組み合わせて、アプリケーション相互の連携など生産性向上に役立てることができます。
Windows Copilotは、2023年6月より先行プレビューを開始し、パブリックプレビューを経て年内に正式リリースを予定しています。
【参考】:AI のパワーを Windows 11 にもたらす – Windows Copilot と Dev Home でお客様と開発者の生産性の新時代へ
Cortanaのサポート終了でも代替案は多くある
Cortanaは長らく、AIアシスタント機能をWindowsに提供してきました。今日の生成AIの活用と進歩は目覚ましく、既存の機能を置き換えるどころか、新たな利用方法や活用領域の拡大が始まっています。
AI時代におけるWindowsの製品の転換はマイナス面よりもプラス面が上回り、代替案も数多くあります。新しく登場が予定される、Windows Copilotは期待を持って受け入れることができるでしょう。