出光とトヨタ、バッテリーEV用全固体電池の量産に向けて協業

出光興産とトヨタ自動車は10月12日、バッテリー電気自動車(BEV)の次世代電池として期待される全固体電池の量産化に向けて、固体電解質の量産技術開発や生産性向上、サプライチェーン構築に両社で取り組むことで合意したと発表した。

今回の協業は、BEV向けに高容量・高出力を発揮しやすいとされているほか、柔らかく他の材料と密着しやすいため電池の量産がしやすいともされる硫化物系の固体電解質を対象とした取り組みで、本格量産に向けて数十名規模のタスクフォースを立ち上げ、3つのフェーズで検討を進めていくとしている。

全固体電池は、電解質が固体であるため、電気を伝えるイオンが速く動けること、それにより充電時間の短縮、航続距離の拡大、高出力化が可能になるといったことが期待されているほか、温度影響を受けにくく、高温・高電圧に強いため、安定性が高いという特徴もあり、トヨタ自動車では、今回の取り組みを通じて2027～2028年のBEV向け全固体電池の実用化をより確実なものとしていきたいとしている。

なお、両社ではそれぞれが有する材料開発技術と、出光の材料製造技術、トヨタが電動車開発で培った電池加工・組立技術を融合することで、世の中で広く活用可能な固体電解質と全固体電池の量産実現を目指すとしている。