ベルギーのゲント大学キャンパスにあるimecの研究グループIDLabの研究チームは、英国スコットランドのグラスゴーで10月上旬に開催された「欧州光通信国際会議(ECOC)」において、伝送速度200Gbpsを実現した光レシーバーを開発したことを発表した。
同レシーバーは、SiGe BiCMOS ICとシリコンフォトニクスのGe光検出器を組み合わせることで実現したとのことで、研究チームではスピードだけでなくスケーラビリティも備えているため、爆発的に増大するデータ転送のニーズに応えることが可能な2つの組み合わせ必須条件を持ち合わせた技術だとしている。
フォトニクス向けIC開発研究チームを率いているのは、imec IDLabの高速トランシーバープログラムマネージャーであり、ゲント大学の教授でもあるPeter Ossieur氏で、同氏は、「主流のSiGe BiCMOSの使用により、テクノロジーの拡張性が向上し、手頃な価格で提供できるようになる。このような速度を実現する代替手段に、より高価で拡張性に劣る技術であるInP技術があるが、SiGe BiCMOSの方がより多くの機能を統合できるほか、チップの大量生産も可能になる」と主張している。
なお、光トランシーバーが高速なデータ速度に対応するためには、すべての構成要素がより高速な処理に対応する必要があることから、研究チームでは、医療診断業界を対象としたimecの統合シリコンフォトニクスプラットフォーム(iSiPP)のシリコンフォトニクスGe光検出器を使用したセットアップで実証実験を実施。imec フェローで光I/OプログラムディレクターであるJoris Van Campenhout氏は、「今回の新たな光受信機は、要求の厳しい200Gbps以上のアプリケーションに向けてシリコンフォトニクスプラットフォームを準備するためにimecが講じている多くのステップの1つである。これらの最新の結果は、imecのシリコンフォトニクスプラットフォームであるiSiPPが200Gbpsで動作する能力を示すものである」と説明している。