ソフトバンクが2021年から中学校・高等学校向けに提供しているAI教育プログラム「AIチャレンジ」に、「生成AI」をテーマとしたカリキュラムが追加されたのは既報の通りだ。
現在はサービスローンチへ向けて各地の学校で実証授業を行っているが、実際、現場の反応はどのようなものなのだろうか。
9月21日に茨城県の茗溪学園中学校高等学校(以下、茗溪学園)で行われた実証授業では、ソフトバンク CSR本部 関東・甲信越地域CSR部 参与の五十嵐祐二氏が講師として教壇に立った。
今回編集部では、五十嵐氏や授業を受けた生徒、教員の方々から話を聞く機会を得た。授業の模様とインタビューから、教育現場において、生成AIがどのような感覚で共有されているのかを紐解いていく。
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想定以上の盛り上がりを見せた茗渓学園
茨城県つくば市に校舎を構える茗渓学園は、中高一貫で先進的な理数教育を行っていることで知られ、文部科学省からは「スーパーサイエンススクール」に指定されている。
生徒たちも日ごろから生成AIを使っているそうで、「テストの問題で、生成AIを使わないと解けない問題が出るので、生成AIを使い込んでいる」との声もあった。生徒たちの生成AIに対するリテラシーや意識は、一般的な中高生に比べて高いと言えるだろう。
この日の授業は、自主的に受講する課外授業として実施され、受講を希望した有志の生徒たちが集まった。当初予定の参加者に加え、当日飛び入りで参加を希望する生徒も現れるなど、教室は想像以上の賑わいを見せた。
五十嵐氏は各地での実証授業において講師を担当している中で、茗渓学園の生徒の印象を「非常にAIへのリテラシーが高く、意欲的だった」と語る。
では、ここからは実証授業の模様を振り返っていこう。