鹿島は10月10日、トヨタ自動車、NIPPO、東京都市大学、カリフォルニア大学バークレー校と共同で、将来の新たなモビリティサービスの提供や自動運転社会の到来を見据え、センシング機能を有する道路、スマートロードの開発に着手したと発表した。
スマート道路とは、 ICT・DXによって、安全・安心な通行確保、効率的な交通管制など高度利用が実現された道路。
今回、鹿島の技術研究所敷地内に、光ファイバセンサーを埋め込んだ試験舗装フィールドを構築し、道路上の歩行者や自転車などの移動体の位置を、同センサで検知したデータにより自動追跡できることを確認したという。
今回、幅10m、長さ20mの試験フィールドにおいて、5本の光ファイバーセンサーを異なる深さに埋め込んだ。道路に埋め込まれたセンサーには、道路上を移動する歩行者や車両から生じたわずかな振動が伝わるため、振動の伝播状況を詳細に把握できるという。
2022年4月から1年間、外気温など環境条件が変化する中でデータを蓄積し、同センサーで検知した歩行者や自転車からの振動データを解析した結果、その位置や進行方向を自動で追跡できることが確認された。
現在、同フィールドを活用し、歩行者や自転車の振動データのパターンの解析にAI技術を活用するなどして、複数の異なる移動体の識別や追跡技術の開発が行われている。
さらに、深さによって異なる振動データを利用して、移動体から同センサーへの振動伝播を解析する技術を構築し、最適な同センサの配置や本数などの計画、ならびにセンシングに適した舗装に関する技術の検討も進めているという。