米国連邦取引委員会(FTC: Federal Trade Commission)は10月6日(米国時間)、「Social media: a golden goose for scammers|Federal Trade Commission」において、「ソーシャルメディアは詐欺師にとっての金のガチョウ」と題して、ソーシャルメディア上の詐欺に対する注意を喚起した。2021年以降、ソーシャルメディア上の詐欺による被害額が27億ドルという驚異的な金額に達したという。

  • Social media: a golden goose for scammers|Federal Trade Commission

    Social media: a golden goose for scammers|Federal Trade Commission

FTCは2021年1月から2023年6月までに寄せられた詐欺報告のうち、連絡方法が指定された詐欺報告を集計。この集計によると、2023年上半期のソーシャルメディア上の詐欺報告件数はオンラインショッピングが44%で最多となっている。このオンラインショッピング関連の詐欺ではFacebookやInstagramの広告を起点とするものが最も多いという。

  • ソーシャルメディア詐欺の順位 - 提供:米国連邦取引委員会(FTC)

    ソーシャルメディア詐欺の順位 引用:米国連邦取引委員会(FTC)

投資関連の詐欺報告件数はソーシャルメディアに次いで20%となっているが、被害額は53%で最も多い。FTCによると、詐欺師は巨額の利益を約束し、「投資」が成長しているように見せかけて出資を募るという。この投資詐欺においては、多くが支払い方法として暗号資産を指定する特徴があったとされる。

FTCはこれらソーシャルメディア上の詐欺を回避する方法として、次のような対策を提示している。

  • ソーシャルメディア上の投稿や情報を見ることのできる人を制限する。すべてのプラットフォームにおいて利用者に関する情報収集が行われているが、プライバシー設定で制限することができる(参考:「How Websites and Apps Collect and Use Your Information | Consumer Advice」)
  • 友人から「チャンスがある」または「緊急でお金が必要」とするようなメッセージを受け取った場合は、その友人に電話して確認する。特に暗号資産、ギフトカード、送金で支払いを要求してきた場合は友人のアカウントが侵害された可能性がある
  • ソーシャルメディア上で他人が恋愛や友人関係の構築を急かしてきた場合は落ち着いて対応する。そしてロマンス詐欺について学習し、実際に会ったことのない人には送金しない(参考:「What to Know About Romance Scams | Consumer Advice」)
  • 商品を購入する前にその会社を調査する。検索サイトからその会社名に「詐欺」や「苦情」といった検索ワードを追加して調べる(参考:「Online Shopping | Consumer Advice」)

FTCは2021年以降、詐欺で被害にあった人の4人に1人がソーシャルメディアがきっかけだったと指摘。また、寄せられた報告は被害の一部にすぎず、実際にはより多くの被害者と被害額が発生している可能性があると説明している。

ソーシャルメディアを使った詐欺は低コストで世界中の人々を標的とすることが可能とされ、被害額も増加傾向にあり注意が必要。ソーシャルメディアを使用する場合、これら詐欺の被害にあわないよう、上記のような対策を実践することが望まれている。