NTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)は10月5日、バイタルセンサーを使って従業員のストレス状態を把握することで、従業員自身によるセルフケアと組織単位での労働環境改善を促す「健康経営支援サービス」を10月10日から提供開始することを発表した。

同サービスは、リストバンド型のデバイスを使って従業員のバイタルデータを計測し、脈拍のゆらぎから従業員の心身状態を可視化する特徴を持つ。従業員は自身の状態を確認できるようになるため、セルフケアによって健康の維持と働き方の最適化が図れる。

  • ウェアラブル端末を着用することでバイタルデータを取得する

    ウェアラブル端末を着用することでバイタルデータを取得する

また、組織単位でデータを可視化すれば、働く環境を改善するための打ち手を検討できるようになり、生産性の向上や離職率の低下も期待できる。なお、組織単位でのデータ分析時に個人を特定されることはなく、あくまで組織全体の客観的な指標を算出する仕組みだという。

  • 自身のデータを確認することで、これまで気づけなかった不調をいち早く把握できるようになる

    自身のデータを確認することで、これまで気づけなかった不調をいち早く把握できるようになる

  • 組織ごとにデータを分析して改善につなげられるという

    組織ごとにデータを分析して改善につなげられるという

初期費用は無料で、月額利用料は15万円(税別)。この利用料には100台分のバイタルセンサー料金も含まれる。最低利用期間は12カ月。

組織ごとのデータとしては、自律神経バランスが不調な人の割合を示す「活性度」や、疲労が蓄積されてストレスを感じている人の割合を示す「心理的負荷のリスク度」などを可視化できる。これらの指標を日ごとに確認することで、迅速な環境改善につなげられる。

同社の社員20人を対象に2カ月間実施した実証実験の結果では、何も対策しなかった組織ではリスク度が7ポイント軽減して活性度が3ポイント向上していたようだ。これに対し、1on1ミーティングやチーム対話会などの対策を実施した組織では、リスク度が24ポイント低減し活性度が23ポイント改善していたそうだ。

  • NTTPCの実証実験の結果

    NTTPCの実証実験の結果

近年は働き方改革関連法案が毎年のように更新されており、2023年3月からは人的資本可視化指針の策定が上場企業に義務付けられる。しかし、テレワークや在宅勤務など働き方が多様化する中で、メンタル不調や生産性の低下をタイムリーに把握するのは難しい。

そこでNTTPCは、従業員自身のセルフケアと企業による労働環境改善の両面を支援するために、健康経営支援サービスの提供を開始するとのことだ。