電通デジタルは10月5日、AI(人工知能)を使用した企業の次世代マーケティング活動を統合的に支援するためとして、同社が展開するAIサービス・ブランドを新たに「∞AI(ムゲンエーアイ)」と定め、3つのAIアプリケーションとその基盤となるプラットフォームを提供開始した。

  • AIブランドの全体図

今回提供開始したアプリケーションは、生活者が商品・ブランドを発見し理解しファンになることをサポートするという「∞AI Ads(ムゲンエーアイ アズ)」「∞AI Chat(ムゲンエーアイ チャット)」「∞AI Contents(ムゲンエーアイ コンテンツ)」の3種類。またプラットフォームは、「∞AI Marketing Hub(ムゲンエーアイ マーケティング ハブ)」。

  • AI Adsの概要

∞AI Adsは、デジタル広告の運用型広告において、広告クリエイティブ制作のプロセスである訴求軸発見、クリエイティブ生成、効果予測、改善サジェストそれぞれに搭載する各AIが一連の流れを支援し、バナー広告や検索連動型広告の改善に寄与するというもの。

2022年12月から一部企業へ先行提供していた「∞AI」から、改名およびサービスのアップデートを実施した。具体的には、対応する広告配信プラットフォームと広告メニューをそれぞれ拡大している。

∞AI Chatは、企業の独自データを使用し、ユーザーへのパーソナライズ対応を実現した対話型AI開発を支援するというアプリケーション。WebサイトやLINEなどのコミュニケーション・ツールとの接続が可能であり、顧客や従業員とのコミュニケーションの質と効率の向上を支援するとしている。

同サービスは、対話型AIを手軽に作成可能、各種コミュニケーション・ツールとの接続、対話型AIの導入・運用支援が特徴とのこと。

∞AI Contentsは、同社が培ってきたクリエイティビティを活かし、AI利用によるバーチャル・ヒューマンやオウンド・メディア構築など、ユーザー・エンゲージメントを高めるサービス・プロダクトを提供するもの。

バーチャル・ヒューマン構築およびオウンド・メディア構築が特徴といい、同社の500人を超えるクリエイターが、プランニングおよび実装支援を行うという。

∞AI Marketing Hubは、生成AIのパフォーマンスをさらに高めるというプラットフォーム。多様なデータを一元管理できるという「データハブ」および、データハブ内のデータを処理し目的に応じた最適なAIの選択・統合・制御を行う「AIハブ」で構成する。

これら2つの機能をシームレスに連携させることで、企業の広範なニーズに対応しながら最良のマーケティング・パフォーマンスを生み出すとしている。また、∞AI内のアプリケーションの基盤に加え、企業独自のサービス開発の基盤としても利用可能という。

さらに、企業のAI利用ビジネスをスムーズに進行させるためとして、各種AIサービスの導入・運用に伴う、コンサルティング、システム・インテグレーション、運用サポート、クリエイティブ・プランニングなどの付帯サービスも行うとのことだ。