NTTドコモは10月4日、マネックスグループおよび同社の子会社であるマネックス証券と、ユーザーの資産形成サービスを中心とした新たな金融サービスモデルの構築を目指す資本業務提携契約を締結した。

  • 具体的な取り組み

なお資本提携の手順は、まずマネックス証券が株式移転により中間持株会社を設立し、同社の発行済株式の全部を中間持株会社に取得させる。続いてマネックスグループが、中間持株会社の普通株式の一部をドコモに譲渡し、また、中間持株会社は、同時にドコモを割当先として中間持株会社の普通株式を発行する。

ドコモおよびマネックスグループは協力して、中間持株会社を通じたマネックス証券の運営にあたる。なお、中間持株会社とマネックス証券は、ドコモの連結子会社となる。実行日は2024年1月4日の予定であり、同日以降の中間持株会社名称はドコモマネックスホールディングスとなる。

ドコモは両社との提携によって投資分野に本格参入し、ユーザーに最も選ばれる次世代の資産形成サービスの提供、投資による個人の資産形成が前進するような社会的インパクトの創出、ユーザーのさらなるウェル・ビーイングの向上を目指す。

具体的には、1)初めてのユーザーにも手軽で簡単な資産形成サービスの提供、2)両社のデータを使用した個々のユーザーへの最適な商品の提案、3)ドコモショップなどを通じた投資情報・金融教育コンテンツの提供、4)AI(人工知能)によるユーザー・サポート、5)STO(セキュリティ・トークン・オファリング)など次世代金融商品の取り扱いの5点を挙げる。

資産形成サービスの提供は、d払いアプリを通じて提供する。またd払いとの連携に加え、dポイント・dカード・dアカウントなどとマネックス証券サービスを連携していく。取引や残高、口座開設に応じたdポイントの還元やd払い/dカードによる入出金や積立が可能になることで、より多くのユーザーが手軽に資産形成できる環境を提供する。

データ使用に関しては、ドコモが持つ9600万の会員データとマネックス証券のデータを、ユーザーが同意した範囲で掛け合わせ、金融CRM(顧客関係管理)を構築する。CRMの情報に基づきユーザーのニーズを可視化することで、より個々に適した商品の提案を可能にするとのこと。

投資情報・金融教育コンテンツの提供は、ドコモのオウンド・メディアやドコモショップでのセミナーを通じて展開し、ユーザーの投資知識・金融リテラシーの向上を後押しする。AIによるユーザー・サポートでは、ユーザー個別の投資に関する悩みの解決に向けたサポートを実施するとしている。