NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は10月4日、ゼロトラストによる安全なICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)環境の実現と多様な働き方を支援する統合型ネットワークサービス「docomo business RINK」を11月より提供開始することを発表した。
コロナ禍を経てWeb会議の浸透やリモートワークの拡充が進む中、社外から社内システムへアクセスする機会も増えるなど、企業は多様な働き方への対応が求められている。そうした中で、セキュアかつ快適なICT環境や経営スピードに合わせたネットワークの構築に対する要望も増えているという。
これに対し、NTT Comはクラウド化された統合ネットワークサービスとして、NaaS(Network as a Service)の展開を図っている。同社のNaaSでは、クラウド型セキュリティとネットワークの融合、一つの回線でオープンなインターネット接続とクローズドなVPN接続を利用できる環境、モバイルアクセスと固定アクセスの融合を実現する。
NTT Com 執行役員 プラットフォームサービス本部 クラウド&ネットワークサービス部長の金井俊夫氏は、「これからはネットワークもクラウド化される時代になる。お客様にとって、必要な時にすぐに使えて、使った分だけ料金を支払うというネットワークお世界を作っていきたい」と展開を語った。
同社は、ネットワークをソフトウェアで制御していく仕組みであるSD(Software Defined)化によって、クラウド型のパッケージサービスで提供していく。そこで今回、同社がその具体的なソリューションとして発表したのが、ゼロトラストセキュリティに対応したクラウド型統合ネットワークサービスの「docomo business RINK」だ。
同サービスは、「スピーディにセキュアなICT環境を実現」「ハイブリッドワークをどこでもセキュアに快適に」「リーズナブルにセキュアなICT基盤を実現」の3つの特徴を持つ。
1つ目の特徴として、専用のレンタルルータを使うことで、モバイル回線をメインで使う場合には工事不要ですぐに使い始められるという。固定回線をメインで使う場合にも、バックアップのモバイル回線として5G通信を利用できる。上記の通りSD化に対応しているため、Webから申し込み、変更、廃止が可能だ。開通状況もWebから閲覧できる。
2つ目の特徴であるセキュアなハイブリッドワークについては、オフィスから多くの従業員がWeb会議に参加するような場合に、網内でオープンなインターネットに切り替えて接続する仕組みで快適な接続を実現する。いわゆるローカルブレイクアウトのようなイメージである。
必要に応じて、Web会議用のインターネットを即時に3倍まで拡張できるだけでなく、それでも間に合わないようであればWeb会議の通信のみを分離させることができる。これらの操作もWeb上から一元管理可能。なお、料金体系は分単位での請求となるため、使った分だけ支払う仕組みだ。
「Webからすぐに設定できるため、『今日はWeb会議が多いから、あらかじめ備えておこう』といった使い方ができる。帯域3倍の拡張とWeb会議通信の分離を1日中利用していただいても、わずかワンコイン(500円)ほど」(金井氏)
3つ目の特徴であるリーズナブルかつセキュアなICT基盤を実現するために、同サービスではネットワークだけでなくクラウド型セキュリティも一括で提供する。原則的にSIは不要だという。
同社は今後について、ICT環境に加えてIoT機器やOT環境のさらなる安全性向上も視野に展開を進めるとしている。