Malwarebytesは10月2日(米国時間)、「Food delivery robots give captured video footage to police」において、Uber Eastsの食品配達ロボットが撮影した映像が犯罪捜査に利用されたと報じた。
Malwarebytesによると、ロサンゼルスのUber Eatsの食品配達ロボットはServe Roboticsが運営しているという。これらロボットは自立型ではあるが遠隔監視されており、周辺状況を搭載カメラにより録画している。404 Mediaが入手したとするメールによると、Serve Roboticsは同社のロボットの窃盗未遂事件の捜査において、ロボットが撮影したとする映像をロサンゼルス市警に提供したとのこと。その結果、2人の男が逮捕され、有罪判決を受けたという。
この件におけるServe Roboticsの対応は被害者が証拠を持って被害を訴えただけであり、問題のない対応だと考えられる。また、Serve Roboticsは録画した映像を「安全またはセキュリティ上のやむをえない懸念」がある場合を除いて定期的に削除しており、プライバシーに配慮した対応も行っている。
404 Mediaは、Serve Roboticsのblogで、「Serve Roboticsは暴力事件や公共の安全を危険にさらす可能性のある重大な犯罪行為は警察に報告する」と述べていることに懸念を示している。今後増加していくとみられている配達ロボットや自動運転車に搭載された車外および車内カメラなどにより、膨大な量の人々の行動が追跡、集計、保持される可能性があり、公共の場でのプライバシーに対する潜在的な脅威になるとしている。
Malwarebytesは、今の状況を是正するために過去を修正することはできないとして、ただちにプライバシー保護のための行動を起こす必要があると指摘している。監視社会のあり方については賛否両論あるが、社会的合意の得られる法規制について議論が望まれている。