石川県能美市は、シャープ、三菱電機、AIoTクラウドの3社と協業し、能美市に在住しており見守りを必要とする高齢者がIoT家電を日常的に利用することで、能美市内の関係機関や支援者が対象者を遠隔で見守ることができる「IoT高齢者見守りシステムサービス」の構築事業を2023年10月より着手したことを発表した。
能美市は、東西の広範囲にわたり人々が居住している地域であり、高齢者や要介護者の孤立リスクへの対策が課題となっているという。そこで今回、能美市が採択された「デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプTYPE2)」の計画に基づき、シャープや三菱電機のIoT家電を見守りを必要とする家に設置することで高齢者見守りシステムを構築することにしたとする。
仕組みとしては、IoT家電で得た在宅情報を、エコーネットコンソーシアムが推進するメーカー共通API規格「ECHONET Lite Web API」を活用して送信し、電子情報技術産業協会(JEITA)とエコーネットコンソーシアムが手掛けるプラットフォーム「イエナカデータ連携基盤」を用いて高次化処理を行う。そうして得られた情報を能美市汎用連携システムを用いて、能美市内の関係機関や支援者へ送信するとしている。
具体的には、見守り対象者が居住する宅内に室温や湿度などを測定する複数のセンサを搭載したIoT家電を設置し、機器の使用状況や室内環境などのデータを自動で取得。そこで得られたデータを解析し宅内の状態を推定、関係機関や支援者が把握することで早期の段階で見守り対象者の生活状況の変化に気付くことができるようになることを目指すという。たとえば、室内の温度環境による体調不良などの恐れがある場合に、早期で対処を行うことができ、発見が遅れて最悪の事態を招いてしまうリスクを低減することが期待できるとしている。
なお、今回のサービスは、能美市在住の高齢者約100名を対象として2023年10月2日から着手し、2024年には本格的にサービスを開始することを目指すとしており、2024年度以降も能美市の継続事業として展開を予定。今後は、IoT家電メーカーの拡大や災害対策への応用などさまざまな社会課題の解決に向け4者間で協力し推進していきたいとしている。