マネーフォワードは10月2日、入金消込を自動化し、債権管理業務を効率化する「マネーフォワード クラウド債権管理」の提供を開始すると発表した。同サービスにより、売上・請求管理、入金管理、入金消込などの債権管理業務を効率化し、債権情報のクラウドを通じた一元化を実現するという。
同社は、企業の課題に合わせて、さまざまな領域のサービスを導入できる、クラウド型ERP「マネーフォワード クラウドERP」を提供しており、新サービスの提供を開始することで、入金消込をはじめとした一連の債権管理業務に対応する。
新サービスにより、債権計上からインボイス制度・電子帳簿保存法対応の請求データ作成、金融機関などの入金データと連携した入金管理ができる。自動で取得した入金データに対し、AIを活用して一括で入金消込の自動照合ができるため、煩雑な消込業務の効率化を実現するという。
AIが複雑な入金消込ロジックを学習するため、複数子会社への請求を親会社が一括で入金する複数請求や、1回の請求金額を数回にわたって入金する分割入金など、複雑な組み合わせの入金消込にも自動で対応。
そのほか、クラウド上で債権情報を一元管理することで、債権残高年齢表や売掛金残高年齢表などの債権残高を確認するための帳票類を、請求・入金のステータスに合わせて自動更新し、簡単に出力を可能としている。
また、「マネーフォワード クラウド会計Plus」「同 クラウド請求書」「同 クラウドインボイス」とのAPI連携により、消込データや請求データの連携が可能。すでに、利用している主要な販売管理システムや会計システムのCSVファイルの取り込みにも対応している。
なお、従来から同社グループのアール・アンド・エー・シーが債権管理・入金消込システム「V-ONEクラウド」を提供しており、同社の技術やノウハウを活用することで、マネーフォワード クラウドにおける入金消込・債権管理機能を強化する。
債権管理においては、請求書に記載した請求額と取引先から入金された口座情報を照合する、入金管理・入金消込を行う必要があり、これまで入金消込を行う際は各システムの請求データや銀行の入金データを取得し、手作業で照合する必要があったため、手間や時間を要していた。
特に売上規模の大きい企業や取引件数の多い企業においては、業務の属人化、手動による煩雑な消込業務が負担となっていることに加え、前受金や売掛金の残高管理を表計算ソフトで行っている企業も多く、消込後に管理帳票を更新する二重作業の手間や手作業によるミスが発生しているという。
こうした課題を解決するため、入金消込をはじめとする債権管理業務を効率化し、債権情報をクラウドで一元化できる新サービスの提供を決定した。今回、マネーフォワード クラウドERPに新サービスが加わることで、これまで対応していなかった債権管理領域をカバーし、入金消込を含む債権管理業務を一気通貫して対応可能になるとのこと。