レゴ・グループは、2032年までにより持続可能で循環型の素材から製品を製造するという目標に向け、300種類以上の素材をテストする中で、リサイクルポリエステル(rPET)が二酸化炭素(CO2)排出量の削減には役立たないと判断し開発を断念したことを発表した。
同社は、2022年から2025年までの4年間で、サステナビリティ・イニシアチブへの支出を3倍の14億ドルに増やし、2032年までにCO 2排出量を37%削減、2050年までに大気中に排出される温室効果ガスと大気中から除去される温室効果ガスが同量でバランスが取れている状態である「ネット・ゼロ」を目標として掲げている。
そうした中で、同社の厳しい品質や安全性、耐久性の要件を満たしているかつ、カーボンフットプリントの削減に効果がある持続可能で循環型な素材という両方のポイントを兼ね備えた新素材の開発・研究を進めてきた。
たとえば、植物由来の原料を使用して作られたバイオポリエチレン(バイオPE)などは、上記の両方のポイントを兼ね備えた素材として扱えることが分かったが、その他の素材でも可能性がを示されたものの、どちらかのポイントが欠けていたりなどの課題があり持続可能な素材として扱えなかったとした。
中でもrPETは、試作モデルの発表当時は強く可能性を感じていたものの、2年間のテスト期間をかけた研究の結果、最終的にはCO2排出量の削減には役立たないことが分かり、開発を断念したという。
なお、レゴ・グループは今回の学びを活かし新素材の開発を続けるとともに、こうした研究開発の結果に対する透明性を保ち、レゴブロックをより持続可能な素材から製造する方法を模索していきたいとしている。