米Sierra Space、三菱UFJ銀行、兼松、東京海上日動の4社は9月27日、アジア太平洋地域における戦略的パートナーシップ契約を締結し、三菱UFJ銀行、兼松、東京海上日動の3社がSierra Spaceへ出資したことを発表した。

Sierra Spaceは、米国コロラド州デンバーで宇宙機器や商用宇宙ステーションの開発を行っており、まもなく次世代宇宙往還機「Dream Chaser」による国際宇宙ステーション(ISS)への補給ミッションを開始する予定としているほか、2026年には商用宇宙ステーション「Pathfinder」の打ち上げを計画している。Pathfinderでは、宇宙空間の微小重力環境を利用した生命科学や物質・物理化学などの分野における学術的科学実験や創薬開発などの応用利用研究のほか、エンターテインメント分野での利用も期待されている。

また、Sierra Spaceは大分空港を「Dream Chaser」のアジア拠点および宇宙港として活用する検討を進めており、日本全体で約3500億円、大分県内で約350億円の経済波及効果が見込まれているという。

4社は、2022年10月に、宇宙航空研究開発機構(JAXA)による「持続可能な地球低軌道における宇宙環境利用の実現に向けたシナリオ検討調査」に参画し、ISS退役後の地球低軌道活動や、ISSの延長を含む2025年以降の地球低軌道活動の在り方について協議し、課題や事業モデルを提言。宇宙産業の発展に向け連携を強化してきた経緯がある。

なお、三菱UFJ銀行、兼松、東京海上日動は、Sierra Spaceが推進する地球低軌道の事業化に参画することで、日本の宇宙産業サプライチェーンのさらなる拡大や、新たな産業創出にむけて前進していきたい考えを示しており、大分県を中心とした地域経済や社会課題の解決に貢献したいとしている。