GlobalFoundries(GF)は、米国国防総省(DoD)との間に国防セキュリティ上安全に製造された米国製半導体の供給に関する新たな10年間契約を締結したことを発表した。これにより、GFは幅広い重要な航空宇宙および防衛用途に対応できるようになるという。
同契約の最初の発注額は1730万ドルで、10年間全体の支出上限は31億ドルとなっている、この新たな契約により国防総省とその請負業者はGFの米国工場にて製造された半導体デバイスへのアクセスが可能になる。
こうしたGFの工場は、国防総省から最高クラスのセキュリティレベルである信頼できるサプライヤ「カテゴリ1A」の認定を受けている。これは、機密情報を保護するための実証済みの厳格なセキュリティ対策が実装されており、かつ最高レベルの完全性を備えたチップを製造し、安全性への侵害がないということを国防総省が認めたもので、この新たな契約により、陸、空、海、宇宙で使用される国防総省のシステム向けに向けたセキュアなチップ製造に加えて、国防総省とその請負業者はGFの堅牢な設計エコシステム、IPライブラリ、開発中の新技術への早期アクセス、迅速かつ効率的なプロトタイピングなどにもアクセスすることができるようになる。この契約は、国防総省の国防マイクロエレクトロニクス活動(DMEA)トラステッド・アクセス・プログラム・オフィス(TAPO)を通じて締結されたという。
GFの政府対応担当最高責任者であるMike Cadigan氏は、「GFは、米国政府との数十年にわたるパートナーシップにおける新章を開始した。米国の航空宇宙および防衛産業向けに安全に製造された必須半導体チップの主要サプライヤとしての役割を継続できることを誇りに思う」と述べているほか、「この提携により、国防総省プログラム関係者は、スケーラブルで効率性の高い方法で先進技術へのアクセスが可能になる。この取り組みにおいて、GFは、厳密に輸出管理された取り扱い(ITARなど)から地球上で最高レベルの認定マイクロエレクトロニクス製造セキュリティに至るまで、各プログラムに必要な適切なレベルのセキュリティの認定を受けている」とも述べている。
なお、今回の契約は、国防総省とGFのTrusted Foundry Business Teamとの間で行われる10年契約としては3回目の契約にあたり、同省と同社の間の長年にわたるパートナーシップにおける最新の契約でもあることから、半導体業界関係者からは、同社の安定経営に大きく貢献するものとの見方も出ている。