インテルは9月27日および28日に東京国際フォーラムにて開催されている「日経クロステックNEXT 東京 2023」にて、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を支援するさまざまなソリューションの紹介を行っている。
もっとも注目を集めていたのは、Sapphire Rapids(開発コード名)こと「第4世代Xeon スケーラブルプロセッサ(SP)」のAIアクセラレータ「Intel Advanced Matrix Extension(AMX)」を紹介するデモ。いわゆるAIの処理で用いられる行列演算を高速化するための命令セットで、ResNet50の学習の場合、前世代(第3世代Xeon SPのXeon Platinum 8352S)1ソケットと、第4世代Xeon SPのXeon Platinum 8480+(1ソケット)のAMX機能をアクティブにしたもので比較すると、25倍ほどの速さで処理を終えることができる点などが披露されていた。AIアクセラレータとしてはGPUの活用が一般的だが、インテルではGPUを用いず、CPUだけでも十分、AIの学習を効率的に行うことができるようになると説明している。
データセンターGPU Maxシリーズに対応するSupermicro
また、同社ブースではパートナーであるSupermicroが第4世代Xeon SP対応サーバを複数展示。そのうちの1つ、1Uサーバの「SYS-121H-TNR」はデータセンターGPU Maxシリーズにも対応可能と銘打って展示が行われていた。同サーバは1Uながらデュアルソケットかつ12(8+4構成)ドライブベイを可能としたモデルで、高密度なラックを実現したいというニーズなどに対応することができるという。
産業用エッジPCでIoTニーズを支援
このほか、同社ブースでは東京エレクトロン デバイス(TED)が産業用エッジPCと3Dカメラ(RGB+深度)、そしてCyberLinkのFaceMe SDKを組み合わせた「AI顔認証セキュリティソリューション」の紹介を行っていた。
FaceMeはAI/IoT機器向けに設計された顔認証エンジンで、顔認証ベンチーマークテスト「NIST FVRT 1:1 / 1:N」において、世界トップクラスの評価実績を獲得した実績を有しており、ハイエンドワークステーション、PC、モバイルデバイス、デジタルサイネージ、入退室管理デバイス、POSシステム、キオスク端末など、さまざまなデバイスに導入することが可能という特徴がある。
日本でもTEDが手掛けた案件ではなく、伊藤忠テクノソリューションズではあるが、同社が開発した「検査情報システム」に搭載され、トヨタ自動車が車両品質管理の向上を目的にそれを採用したことも発表されているなど、国内での導入実績もあるという。
また、顔認証の精度もカメラの正面に立たずとも、斜めであっても高い精度を実現できるとしており、ウォークスルー認証による大人数に対する非接触ソリューションも実現可能であり、TEDではFaceMeとは異なるソリューションとして追跡検知も可能なトラッキングソリューションなども用意しており、産業用エッジPCとカメラ、そしてそうしたさまざまなソフトウェアを組み合わせることで、エッジ/IoT分野でのさまざまなニーズに応えていきたいとしていた。