アドビは9月26日、企業の総務担当者800名を対象に実施した「社内データの備えと管理に関する調査」の結果を発表した。同調査は、事業継続計画(Business Continuity Plan:BCP)への取り組み、クラウド管理やファイルの保存形式、電子サインの活用など、社内データの保管・管理状況を尋ねたもの。
社内データのバックアップを行っている担当者に手法について聞いたところ、最も多かった回答は「クラウドバックアップ(インターネットを介してリモートサーバに保存)」(50.8%)だった。これに、「物理的なバックアップ(外付けハードドライブ、USBメモリなどの物理的なデバイスに保存)」(47.5%)、「紙によるバックアップ(重要な情報を紙に印刷して物理的に保管)」(31.2%)と続いている。
半数以上がクラウド上でのバックアップを実施している一方で、「BCPを策定する予定がない」企業に絞ると、クラウドバックアップを行っている割合は30.6%にとどまるなど、一部の企業ではデジタル化が進んでいないことも判明している。
重要書類をの保存形式を聞いたところ、最も多かった回答は「PDF形式」(51.7%)だった。次いで、「紙による物理的な保管」(42.0%)となっており、契約書などの確認作業や締結作業が紙ベースで行われ、一部の企業ではペーパーレス化に至っていない様子が伺える結果となった。
また、BCP対策を行うことで、有事の際にも事業継続できる状態を保つことが顧客の信頼を得るうえで重要だと思うかを聞いたところ、「とても思う(27.9%)」、「どちらかというと思う(52.6%)」と、全体の8割以上(80.5%)が重要な要素だと感じていることが判明した。
契約書などの重要書類のデジタル化の際、不正コピーや改ざんを防ぐために電子サインなどの機能でセキュリティを強化しているかを聞いたところ、実施している企業の割合は39.9%(全ての重要書類が10.1%、一部の重要書類が29.8%)にとどまった。
その一方で、BCPをすでに策定している企業、およびテレワークを継続的に実施している企業に絞ると、6割以上(それぞれ66.7%と64.4%)がセキュリティ強化を行っている結果となっている。
電子サインの利活用にメリットがあると思うかを聞いたところ、「おおいにあると思う(24.9%)」、「どちらかというとあると思う(50.6%)」と、合わせて75.5%が肯定的な考えを示している。特にBCPをすでに策定している企業では90.5%、テレワークを継続的に実施している企業では87.4%が「メリットがある」と回答し、電子サインがデジタル管理において高く評価されている結果となった。