日本ガス協会は、大阪・ 夢洲の万博会場内建設予定地において、「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」に出展する民間パビリオン「ガスパビリオン」の起工式を行ったことを発表した。

同起工式には日本ガス協会会長の本荘武宏氏、日建設計取締役副会長の川島克也氏、2025年日本国際博覧会協会事務総長の石毛博行氏、奥村組代表取締役社長の奥村太加典氏、設計・建設の主要パートナーとして電通、電通ライブなど複数の関係者が参列し、安全で円滑な工事の進行と完遂を祈願したという。

  • ガスパビリオン起工式の様子

    ガスパビリオン起工式の様子。左から、川島克也 日建設計取締役副会長、本荘武宏 日本ガス協会会長、石毛博行 2025年日本国際博覧会協会事務総長、奥村太加典 奥村組代表取締役社長 (出所:日本ガス協会)

日本ガス協会の本荘氏は、ガスパビリオンの準備にて多くの支援や協力があったことに感謝すると共に、1970年の大阪万博から50年以上が経ったことに触れ、「未来を担う子供たちに、感動と希望を味わってもらえるようなパビリオンにしたいという思いをさらに強くした。11月から始まるガスパビリオン建設の完遂に向け、工事に従事する方々の安全と健康を心から祈念する」とコメント。

  • 日本ガス協会会長の本荘武宏氏による挨拶の様子

    日本ガス協会会長の本荘武宏氏による挨拶の様子(出所:日本ガス協会)

ガスパビリオンは、鏡面の膜材を活用した最大高さ約18mの三角形断面の特徴的な空間を持つ建物で、膜材には大阪ガスが開発した放射冷却素材の「SPACECOOL」が使用される。これは、太陽光と大気からの熱を遮断し熱吸収を抑えるほか、放射冷却の原理により宇宙に赤外線の形で熱を輻射することで、ゼロエネルギーで外気より低温にできる放射冷却素材で、省エネや低炭素化に貢献するという。

  • 「SPACECOOL」の端材を利用した日除けのイメージパース

    「SPACECOOL」の端材を利用した日除けのイメージパース(出所:日本ガス協会)

このガスパビリオンのコンセプトは「化けろ、未来!」。鏡面の膜に周りの風景が映り込むほか、天候や時間帯により光が反射する量が異なり見る位置によってさまざまな表情に変化することで「化ける」を表現している。また、夜もライトアップにより、「カーボンニュートラルな火」を演出するという。

  • ガスパビリオンパース夜景の図外観

    ガスパビリオンパース夜景の図外観(出所:日本ガス協会)

さらに、「SPACECOOL」を使用した膜構造の建物にすることで、少ない材料で展示空間を形作るほか、パビリオンの主要な構造部材やバックヤードの大部分を、建設用リース材料で構成、「SPACECOOL」の端材で来場者用の日よけを設けるなどの3Rでも「化ける」を表現しており、廃棄物と建築資材の削減と快適なパビリオン空間実現の両立を目指すとする。

なお、本荘氏は「ガスパビリオンのコンセプトである『化けろ、未来!』を表現するにふさわしい建物を無事完成させ、2025年春に世界中の皆さまを温かく迎えられるよう準備を進めていく」と述べ起工式を締めくくった。