アイ・ティ・アール(ITR)が9月26日に発表した国内のワークプレイス管理市場規模推移および予測によると、2022年度の売上金額は2021年度と比べて32.2%増の20億1000万円であり、2023年度も前年度比33.8%増と2桁のプラス成長が続くことが分かった。
2022年度の同市場では、全てのベンダーが好調に売上を伸ばしているといい、一部のベンダーは前年度比で2倍以上の売上規模となったとのこと。
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大(コロナ禍)においては、濃厚接触の回避や濃厚接触者の確認などを目的に、導入が拡大した。また、オフィスの移転や縮小、オフィス・レイアウトの変更を機にフリーアドレス化が進んでおり、需要が拡大している。
加えて、フリーアドレス下におけるチーム/グループ単位での座席確保や在席状況の可視化、部署・部門の枠を超えた交流の促進など、社内コミュニケーションの活性化や円滑化を目的とした導入も増えつつあるという。
昨今注目度が高まっている「Activity Based Working」に基づく業務環境を志向する企業も今後増えると同社は考えており、その実現のための導入が見込まれるとのこと。これらの要因から、同市場の2022~2027年度におけるCAGR(年平均成長率)は22.5%、2025年度には2022年度の約2倍の市場規模に伸張すると、同社は予測する。
同社シニア・アナリストの舘野真人氏は、「現在は、フリーアドレス席に対応した座席予約・管理システムが人気の中心ですが、今後は、会議室など共用スペースの予約・管理や来訪者受付など、幅広い機能を備えるソリューションにより関心が集まるでしょう。また、オフィス内での従業員の行動を可視化・分析するための手段としても活用されると考えられます」とコメントしている。