パーソルイノベーションが展開するリスキリング支援サービス「学びのコーチ」は9月25日、全国の企業に勤める人を対象に実施した「リスキリング」に関する定点調査を発表した。今回の調査は3回目で、対象人数は 662人。
回答者が所属している企業において、「直近1年の間で、従業員のリスキリング施策に関する取り組みを行いましたか?」と尋ねたところ、「実施した」と回答した人は、前回の41.6%に対して、49.1%と増加し、今後も伸びていくことが予想されている。
企業規模別の回答を見ると、中小/スタートアップ企業に勤めている人の「実施した」との回答が、前回は28.0%だったところ、今回は40.5%となり、中小企業やスタートアップ企業の実施率が大幅に増加していることが分かっている。
また、企業で取り組んでいるリスキリング施策について聞くと、1位は「データ活用(35.6%)」、2位は「AI活用(ChatGPTなど)(34.7%)」、3位は「業務プロセス設計(31.5%)」となった。
第2回と変わらず1位は「データ活用」と変わらないものの、次いで「AI活用(ChatGPT等)」が前回の4位(30.3%)よりも向上したことを鑑みると、業務でAIを導入、または導入を検討している企業が増えたことが分かる結果に。
企業規模別の回答を見ると、大企業に勤めている人の1位は「データ活用(43.9%)」、2位は「AI活用(ChatGPT等)(40.4%)」となった。これに対し、中小/スタートアップ企業に勤めている人の回答は同率1位で「マーケティング(28.7%)」「AI活用(ChatGPT等)(28.7%)」となり、企業規模問わず重視するスキルにAI活用が注目されていることが伺える。
「リスキリング施策において重視することは何ですか?」と尋ねた質問では、1位は「従業員リスキリング目的の明確化(28.7%)」、2位は「従業員リスキリングにおける習得スキルの設定(27.8%)」3位は「リスキリング後の従業員自身の業務における企画・実行(26.8%)」となり、従業員が獲得したスキルを新たな業務で活用できることを重視していることが窺える結果となった。
また、「リスキリングを推進する上での課題は何ですか?」と尋ねたところ、「施策の企画リソース(体制)が足りない(23.1%)」、「施策の運用リソース(体制)が足りない(21.0%)」、「習得すべきスキルを明確にできない(19.9%)」「スキル習得に適したカリキュラムが用意できない(19.9%)」が上位の回答となった。
また、成果実感があった企業と成果実感がなかった企業での共通の課題は、「取得すべきスキルを明確にできない」「施策の企画リソース(体制)が足りない」「施策の運用リソース(体制)が足りない」という回答が得られ、成果実感がなかった企業にあった特徴的な課題は「スキル習得後に実務で活躍できない」ことだと判明した。