エイトレッドは9月21日、中小企業で人事・労務・総務・情報システムを担当しており人手不足に悩んでいる回答者を対象に実施した、「人手不足に悩むバックオフィス担当者に聞いた業務実態調査」の結果を発表した。これによると、業務負担軽減のため勤務先に求めることでは、適切なシステム導入による効率化・自動化を挙げた回答が半数近くに上っている。
同調査は同社が8月24日~25日にかけて、従業員数200人以下の中小企業でバックオフィス業務(人事・労務・総務・情報システム)を担当しており、事前調査において人手不足に悩んでいるとした回答者を対象に、インターネットにより実施したものであり、有効回答者数は110人。
勤務先で特に負担が大きいと感じている業務を尋ねたところ、データの入力・集計・照合が48.2%と最多であり、以下、各種社内書類の作成・管理(39.1%)、トラブル対応や定期メンテナンス(38.2%)が続く。
業務のシステム化がどの程度行われているかを聞くと、「全面的に行われている」が25.5%、「一部行われている」が56.4%だった。
業務のシステム化が「全面的に行われている」または「一部行われている」とした回答者に、業務にあたって転記作業が生じるなどシステム間のデータ連携に不足を感じたり、業務の負担が軽減されていないと感じたりすることがあるか質問したところ、「とてもある」が26.6%、「ややある」が55.6%だった。
前問で「とてもある」または「ややある」とした回答者に、業務のシステム化を行っているにも関わらず、業務の負担が軽減されていないと感じる理由を尋ねると、「システム連携ができておらずデータの二重入力が発生しているから」が60.8%と最多であり、以下「業務が属人化しているから」(48.6%)、「業務自動化に繋がっていないから」(37.8%)が続いた。
勤務先での業務のシステム化が全く行われていないという回答者に、その理由を聞いたところ、「導入・運用にコストがかかるから」が53.3%で最も多く、以下「取り掛かる時間がないから」(40.0%)、「IT人材がいないから」(40.0%)の順だった。
業務のシステム化が全く行われていない、またはシステム化を行っているが業務の負担が軽減されていないと感じているという回答者に、業務負担が軽減された場合どのようなことにもっと時間を使いたいと考えるか質問すると、「業務効率化の推進」が65.2%と最多であり、以下「社内規定、ルールの見直し」(36.0%)、「新規プロジェクトの立案」(32.6%)が続く。
負担が大きいと感じている業務への対応として勤務先に期待することを尋ねると、「適切なシステム導入による効率化・自動化」(49.5%)、「業務プロセスの見直し・改善」(47.4%)、「業務属人化の解消」(46.4%)の3項目を挙げる回答が多い。
調査結果を受けて同社は、「中小企業のバックオフィスでは業務のシステム化は進んでいるものの、システム間のデータ連携不足がボトルネックとなり、8割以上で業務負担の軽減を感じられていないことが明らかになりました。最も負担が大きいと感じられる業務として『データの入力・集計・照合』が一番に挙げられていることや、業務のシステム化を行っているにも関わらず業務負担が軽減されていないと感じる理由として「システム連携ができておらずデータの二重入力が発生しているから」が最多回答となっている点からも課題の深刻さが伺えます。人手不足の中、システム化による業務効率化を考える上で、データの自動転記など業務自動化やコスト削減を実現可能な、柔軟な連携機能を備えたシステムかどうかといった視点が重要と言えるでしょう」と指摘する。
また、「業務負担が軽減された場合にどのようなことにもっと時間を使いたいかという問いに対して、『人材の育成』や『社内で先送りにされている時間を解決する』など、企業の体制強化につながるような回答が多数挙がっており、バックオフィスの業務効率化の実現がもたらすメリットは働く人のみならず、企業にとっても大きなものとなりえるのではないでしょうか」と提言している。