JSOLとグループ会社の理研数理は9月21日、理化学研究所のスーパー・コンピュータである富岳の民間利用を支援するサービスである「『富岳』利活用コンシェルジュ」を開始した。富岳の利用方法の提案から利用報告書の作成・提出までの一貫したサポートを提供する。
富岳の利用範囲は、製品設計、材料開発、創薬など広範に及んでいる一方で、利用を希望しても使い方が分からない、周りに利用経験のある人がいない、細かな相談をできる相手がいないといったことから、利用に踏み切れないという声があるとしている。
富岳の利用は、目的や計算資源量に応じて課題種類を選択して申請し、申請課題は書類などの内容審査を経て選定される。選定後には、富岳で動作するソフトウエアを使って大規模計算を実行し、課題終了後には60日以内に利用報告書を提出する必要がある。
両社は富岳の産業界向け利用マニュアルの作成に携わったといい、ユーザー企業のニーズに適した課題種類の選定から課題申請、必要書類の準備、利用報告書の提出まで、富岳の利用に必要な手続について、一貫した支援・代行を行う。
また、富岳を活用した産学官連携の取り組みに参画したエンジニアが、富岳でソフトウエアを実行するための環境構築や大規模計算実行に対する支援・代行など、ユーザー企業の業務課題の解決に向けたの幅広い利活用方法を提案する。
さらに理研数理は、理化学研究所を始めとするアカデミアと信頼関係を持つといい、ユーザー企業の研究・開発業務の高度化に向けて、研究者などによる技術指導や共同研究のコーディネートも可能としている。