SEMIは9月12日(米国時間)、2023年の半導体前工程(ファブ)投資額が前年比15%減の840億ドルとなるが、2024年は同15%増の970億ドルまで回復するとの予測を発表した。
2023年のマイナス成長は2022年に過去最高(995億ドル)を達成したこと、ならびに世界的な情勢不安などに起因する半導体需要の減退、コンシューマ機器やモバイル機器の在庫の増加などに起因するとSEMIでは説明している。
また、2024年の前工程への投資回復をけん引するのは、主に2023年に半導体デバイスの在庫調整が終わること、ならびにHPC分野の需要拡大に伴うメモリ市場の拡大を予想している。
SEMI会長兼CEOのAjit Manocha(アジット・マノチャ)氏は、「2023年初めの予測と比較して、2023年の装置投資額の落ち込みは浅く、また2024年の回復は旺盛なものとなる見込みである。このトレンドは、半導体産業が下降期を脱し堅実な需要に支えられて旺盛な成長を取り戻すことを示している」と述べている。
ファウンドリが設備投資をけん引
2023年の前工程投資を業態別に見ると、ファウンドリが同1%増の490億ドル、DRAMが同19%減の110億ドル、NANDが同67%減の60億ドル、MPUが同横ばいとSEMIでは予想している。また、2024年については、ファウンドリが同5%増の515億ドル、DRAMが同40%増の150億ドル、NANDが同113%増の121億ドル、MPUが同16%増の90億ドルと見込んでいる。
また、地域・国別で2024年の投資額を見ると、ファウンドリ最大手TSMCを要する台湾が同4%増の230億ドルでトップ。2位はメモリ市場の回復に伴う韓国が同41%増の220億ドル。3位は中国が入る見込みながら、輸出規制に伴う先端技術への投資ならびに外国投資が制限されるため、投資額そのものは2023年を下回る200億ドルに留まる見通しだという。ただし、規制による制約はあるものの、中国のファウンドリならびにIDMは規制対象外の成熟プロセスで投資を維持するものとみられるとしている。4位は米州で同23%増の140億ドルと見込まれ、この額は米州の最高記録を更新する規模だという。また、5位の欧州/中東も同41.5%増の80億ドルで、こちらも過去最高を更新することが予想されるという。このほか、日本は70億ドル、東南アジアは30億ドルの投資額となるとSEMIでは予測している。