柏の葉エリアに英国式のインターナショナルスクールが開校
三井不動産は9月15日、英国式のYear7~Year13(日本での小学6年生~高校3年生に相当)に対応する、男女共学の通学制・寮制選択可能なインターナショナルスクール「Rugby School Japan(以下、RSJ)」を千葉大学柏の葉キャンパス(千葉県柏市)内に開校したとして、記者向けの内覧会を開いた。
9月4日の開校時点では約140人が入学したが、今後は780人程度まで生徒数を増加する予定だという。なお、イギリスのラグビー校はスポーツのラグビー発祥の地としても知られ、イギリスの伝統ある名門のパブリックスクール9校、いわゆる「ザ・ナイン」の一角を担う。RSJはラグビー校の海外進出としては2例目。
同社はこれまで、Rugby School International Limited、Rugby School Japan設立準備財団、千葉大学、およびCEAMS合同会社と同校の設立に向けた取り組みを進めてきた。
三井不動産らが中心となりスマートシティ化を進める「柏の葉国際キャンパスタウン構想」では、以前からインターナショナルスクールの誘致を検討していたそうだ。そのときに偶然、英国ラグビー校が日本進出を模索していたことから、両者の思惑が合致し、今回の開校に至ったという。
柏の葉キャンパスは都心から約25キロメートル圏内に位置し、つくばエクスプレスで秋葉原までの移動も容易だ。また、羽田空港および成田空港から車で60分以内に移動できる。こうした立地の良さも、ラグビー校が日本に進出する際に評価されたそうだ。
ちなみに、同校の特徴は英国式のボーディングスクールであることから、生徒全員がクラスではなく「ハウス」と呼ばれる寮に所属することになる。さながら『ハリーポッター』のようなイメージだろうか。
スマートシティとして成長を目指す柏の葉エリアには、近隣には千葉大学をはじめ東京大学などのアカデミアや、国立がん研究センター東病院をはじめ研究機関が多数存在する。生徒らはこうした近隣施設とも連携しながら学びを深めるという。
三井不動産らは、柏の葉におけるスマートシティ進化の基本フレームについて、アカデミアと連携したイノベーションによる新産業創出の拠点形成、DX(デジタルトランスフォーメーション)に資する技術でデータを利活用することによる付加価値の創造、海外の企業や教育機関の誘致によるグローバル化の進展を掲げている。今回のRSJの開校は、街のグローバル化に寄与する。
三井不動産で柏の葉のまちづくりを担当する田中俊太朗氏は、RSJの開校について「教育インフラが整うことにより、イノベーションを起こせる高度な人材を世界中から集められると期待している。世界中から高度人材が日本の首都圏に集まり、日本の企業およびアカデミアの国際競争力が向上することを期待する」と、語っていた。
プール・演劇室・ダンススタジオ、校内はどうなっている?
RSJは英国ラグビー校が掲げる"Whole Person,Whole point"の理念のもとで、学問の枠にとらわれない実践的な活動に取り組む予定だ。生徒の主体的な学びを支える新校舎について、そのうらやましくなるような設備を紹介しよう。
校舎内では、日本の学校のような座学だけを行う部屋は少ない。理科室や図工室のような部屋が、目的に応じてより細分化されており、少人数での授業に対応している。
音楽を学ぶための部屋は、通常の音楽室のように複数人が授業を受ける空間に加えて、バンド練習のスタジオのような狭い空間がいくつも備えられている。
また、スポーツ施設として、ダンススタジオや25メートルスイミングプールも設置している。
図書室には英語の本が多数並ぶ。他にもフランス語、ドイツ語、中国語などの本がある。なお、同校は授業もすべて英語で行われる。