消費者のニーズの多様化、円安など外的要因による仕入れコストの増加、オンラインでの購買行動の活発化など、絶えず変化していく小売業界。こうした環境の変化の中で、小売事業者はあらゆる角度からニーズを察知し、ビジネスを成長させていかなければならない。
ソフトバンクでは、同社で収集したデータやグループ会社のリソースを使って、小売業界のDXを支援しているという。同社は、小売業の課題をどのように捉え、解決しようとしているのか。その取り組みを取材した。
小売業が抱える独特の課題
ソフトバンク 法人プロダクト&事業戦略本部 デジタルオートメーション事業第2統括部 新事業ソリューション部 部長 弓削考史氏は、「小売業の課題は外部要因と内部要因に存在する」と話す。
外部要因としては、顧客のニーズが多様化していることに加えて、業界に従事する人手不足や人流動向の変化など、人が起点の課題が顕著になっているという。一方で、内部要因としては、データ活用の体制やデジタル人材の育成が不十分なことから、いまだに勘と経験で投資を判断している事業者も少なくない点が挙げられた。